NYダウ急落は、昨夜、瞬間風速998ドルの下げを見た。
100万を100億と間違って誤発注したことに端を発するらしい。
ギリシャ問題に終結の姿勢を見せなかった欧州中央銀行の総裁コメントが、ユーロ売りを加速した。NYダウはユーロ売りドル買いにリンクしている。
逃避通貨としての円(円高に)、そして金(ゴールド)に余剰資金がなだれ込み、ドル円は急落して88円、金は1オンス1200ドルを抜いて上がった。(金はvsドル、リスクヘッジの両面を持つ)
世界的な余剰資金が、相互にリンクしたマーケットの中で、お金の欲望と恐怖を作り出している。
従って、全世界的な雪がなだれ現象が起こる。
恐怖によって今まで持っていた株を売ってしまい、売りが売りを呼ぶというのが行きなだれ現象。
バブル期のように、買いは買いを呼ぶという場合もあるが、損切りが損切りを呼んで、急落する落ち方は、買いによって上げてきた期間の何十分の一くらいの短期間で達成してしまう。
1929年の大恐慌においても、あるノーベル経済学の受賞学者が、恐慌の直前に、この繁栄は永遠に続く、とコメントしていた。永遠に続くと思われた経済的繁栄の直後、大恐慌を始まった。
考えるべくは、このリンケージ。
90年代だったか、台湾で地震が起こったときに、全世界のパソコン・パーツの殆どを製造していたため、世界的に大問題が思った。先日、新宿の竹下通りで、10代の若者が、芸能人がやってくる、という噂で大混雑の中、押し合いへし合いで怪我人まで出たことがあったが、これも同じこと。
この複雑で緻密にリンクした高度資本主義のネットワーク社会は、様々なリスクを抱えている。
一人一人が、まずはこのリスクを認識すること。
そして欲望にも恐怖にも左右されないこと、操作されている意識から脱却して、自分の頭で考えることが何よりも必要になっている。
お金を持っていても、食料が買えないと生きていけないし資源も必要で、一国は一国だけで生きていけない。また、一流企業でも代表が判断を間違うと倒産してしまう。世のお母さんお父さんたちが、今までの価値観が崩壊しているにも関わらず、そして今までの価値観では生きていけないにも関わらず、子供たちに本当に大切なことを伝えていないのが残念。
地球的に問題噴出の状況を、それでも後々の子孫は生きていかなければならない。本当に大切なこと。
でも、こういうことって今の学校では教えてくれないのは確か、そして学校の代わりに会社が人を育てていた余裕が今は無くなってしまっているのも確か。。。
後記)
ダウの暴落には、誤操作説が出ている。100万単位を間違えて100億でオーダーしたという説。
事実を曲げて、操作して言いつくろった説に聞こえるのは私だけだろうか。
シカゴ取引所が売ったという説があり、そちらの方が信憑性がある。
では、何故売ったのか。売り時であると判断したから。何故売り時だと判断したのか。暴落を読んでいたから、となる。つまりは前哨戦である。
誰かの発言がきっかけとなって相場が暴落するのは、後付けの理由である。それが理由だとすると、いくつでも理由があるのだ。
では、ドルが安泰なのか?と言われれば、全然そんなことはない。ユーロはドルのカウンター通貨。世界の余剰資金がNYダウを押し上げていたがアメリカの実態経済は良くない。水面下でシーソーゲームの駆け引きになっているだけだと推測している。
昨年の12月につけたドル安は、危機的になった通貨=ドルに、逆に資金流入するという結果を招いたはず。リーマンのときもそうだったのだが、新興国・資源国からの資金引き上げ=ドルの還流がすさまじかったはず。同じ現象が起こっただけ。
だから弱くなった機軸通貨は逆に強くなるという逆説を示している。
では、円はどうなるのか?今年の夏くらいまでは円安で上がるだろうが、来年の秋に向けて、74円を付けに来る可能性がある。この74円は、人為的なかたちでしか円安にならない。日銀の政策次第。HONDAあたりは85円にまで対応できる戦略をすでに組んでいるが、多くの企業にとって、この数字は酷でありすぎる。
ここで日本は非常に厳しい局面を迎える。
いずれにしても秋以降、覚悟しなければならず、リスクヘッジの嵐=逃避通貨の円へなだれ込む円高に陥るとき(まるでシルクロードの終着地点である日本になだれこむような)日本が負のキャスティングボードから、もう一度世界を新たに再生させる地球再生のエンジンを駆動する正のキャスティングボードへ転換するために、本当は何をしなければならないか、本質はそこにあると思う。