世界で進む二極化

時代と状況は、煮詰まると二極化が進む。
政治の世界でも経済の世界でも。

日本では余り報じられていないがトランプ旋風に訳がある。
グローバリズムに嫌気が差したアメリカ国民が、アメリカ・ファーストに賛同している。
ヒラリーがグローバリズムの延長線上に存在しているのに対して、トランプがTraditional and Conservative。
それぞれの勢力を反映している。


グローバル金融資本のウォール街は当然ヒラリー支持。トランプへの熱狂はアメリカの国民国家を取り戻す勢力。
オバマはchangeをメッセージしたが何も変わらなかったではないか、という国民の実直な意見が体勢を占めている。
ヒラリーの病気説にはアルツハイマー説もあり、この段階においての候補変更はきかないため実質はティム・ケイン副大統領が大統領になる可能性も考慮しているのだろう。
トランプが大統領になったときに先ずは安全保障の見直しが入る。NATO、日米安保での経費負担。戦後続いたドルを基軸通貨とするブレトンウッズ体制がどうなるか。FRBも必用無しとするトランプ。

国益をグローバリズムで捉えるか国民国家で捉えるかの違い。

移民問題で揺れるユーロは、ドイツの移民受け入れ策に賛否両論。ドイツは移民受け入れを拒否するとナチス時代の人種主義と受け取られかねない政治風土がある。またグローバリズムにとっては、移民受け入れは安い労働力を使えるので、賛成となる。

ひとつのトリガーから両極に揺れる時代。

冷戦終了後、それまでの右翼=問題を内部で解決 左翼=問題を外部で解決という構図から、Globalism 対 Traditional and Conservativeへと変容した。
その究極のトリガーとなっているアメリカ大統領選。

安倍首相がTPPを押すのは、経団連と連携したグローバリズムへの自国便益を見ているからで、実際には6000ページにも渡るISD条項が存在し、国家の上位に位置するグローバル契約となっている。そして契約紛争慣れしているアメリカに日本は勝てない。

ヒラリーがTPPに反対しているが、選挙対策のためだろう。背景はグローバリズムなので、TPPが形を変えて出てくる可能性が大きい。