サルバドール・ダリの描く空

学生の頃、サルバドール・ダリの描く空に惹かれた。
革命の前夜を思わせるような、何かとてつもない変化の前触れを思わせるような、あの空に惹かれた。
ダリの描く柔らかい時計やシュールレアリズムの数々の象徴より、あの空に惹かれた。

マルセル・デュシャンは、ジョン・ケージに、ダリに会いに行け、と言った。
言葉は正確に思い出せないが、ライオンの悲しみを見てこい、というメッセージだったと記憶している。
ライオンはダリのことである。

ふと、あの空を思い出した。

これから地球上で起こる大きな変化を体で感じながら、無意識の泉の中から、昔見たあの空が浮かび上がってきた。

これから起こる変化は、100年に一度ともいわれるし、300数十年に一度ともいわれる。いや、有史以来初めてのこともある。

あの空の向うに飛び込もうとした昔の自分は、今は変容し、まったく別次元の光と壮大な宇宙へとつながる空を望んでいる。

宇宙は、美しく調和しながら、次を生み出している。