​ Who Gets What​ 副題:マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 アルビン・ロス著

腎臓の生体移植から始まり学校と応募生徒のマッチングなど、マーケットデザインの設計から失敗事例含めて実例とともに紹介し、人のためになるマーケットデザインを設計しようとする学者の志が伝わってくる。

腎臓の生体移植は適合が難しくスピーディな外科手術と移植が必要とされる。そのシステムをどう作ったか、また学校の応募は生徒が必ずしも入学してくるとは限らず学校側との間でいかにして定員割れを防ぎ生徒は志望校に入学させるかの受け入れ保留のシステムデザインを紹介している。
デザイン例としては病院と研修医とのマッチングも。
クリアリングハウスという中継センターでのアルゴリズム設計を紹介している。
この本ではどのような要素が入ると失敗するか?が紹介されている。
例えば贈与と交換において金銭が派生したときの反発、不快感を尊重することなど、安定的なマッチングと厚みのあるマーケットを創出するための実例が示唆に富む。
先に紹介した「シェア」もコミュニティが存立するための何か、それは人の役に立つことが喜びであるとか、民泊で部屋を貸したら新しい出会いがあって楽しいなど文化的価値が存在する。単純にくっつけたらそれでいいという話ではない。
アルビン・ロス博士は、2012年 安定配分理論と市場設計の実践でノーベル経済学賞を受賞。

昇降デスクSwiftを使ってみて

オカムラの昇降デスクSwiftを導入した。

同じ姿勢を続けることでむくみや腰痛の原因になることが知られているが、私が導入した理由は、立ったまま仕事をするとはかどるということだった。昔、埼玉の会社が110cmのテーブルを使い打ち合わせをすると会議が進むという話を読んだ。それ以来、テーブル板を買ってきて110cmの高さにしたり、いろんな試みをした。

Swiftは65cmから125cmまでの高さに調整できる。立って仕事をすると大腿筋を使っているので脳が刺激されて程よい緊張感が生まれる。これがはかどる理由になっているようだ。

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自然農法体験

友人の招待で農業体験に行った。長野県中野市。

自然農法で農業するお宅だった。昨年夏に食べたミニトマトが今までに食べたものの中でとびきり美味しかったので行ってみた。 自然農法とは農薬を一切使わずに土を作り直すことから始める。 土を掘り返してみると、ミミズが出てくるわ、小さな虫がにぎやかで、こんなに土が豊かだったのかと分かる。ミニトマトの美味しさはこの土から生まれていたのか!

草刈りをやった。赤い茎の草は繁殖力が強く横に伸びてくるから根っこから引き抜かなくちゃいけない、と教えてもらいながら友人とひたすら草刈りをやる。

隣の畑がほったらかしで、セイタカアワダチソウが繁茂していた。畑の中で一番強い雑草が繁殖してしまうという。 だから生物が多様な環境を作ることが大切との話。

農業は土だ、という説は知っていたが、実際に触れてみて、いろんな生き物が生息していることを体験する。そして朝、つぼみだったマツバボタンがたった3時間ほどで昼には辺り一面に花を咲かせていて驚く。凄い。

お話を伺うなかで、この数年で特に冬雪が降らなくなったと。日本での気候変動は夏よりも冬が顕著になっている。(関連投稿:利根川水系の水不足と暖冬の影響

hatake

matsubabotan

関連資料
科学雑誌 Natureより

生態学カテゴリー

Nature 537, 7618
2016年9月1日

生態系内で限定されている資源が複数あると、種間のトレードオフが可能となって種共存の可能性を高めることが、理論によって示唆されている。今回W Harpoleたちは、この理論について、全球規模で展開された栄養素添加実験である「Nutrient Network」共同研究のデータを用い、植物群落を対象として検証を行った。複数の大陸の45の草原で実施された複数年にわたる栄養素添加実験のデータを集約して解析した結果、添加した栄養素の数が増えると植物種の多様性が低下することが分かった。これらの知見は、地中の資源をめぐる競争が植物種の多様性を高めていることを示唆している。

「シェア」 レイチェル・ボッツマン、ルー・ロジャース著

シェアリングエコノミーが急拡大している背景がよく理解できる。ミレニアム世代という1980年以降の生まれで21世紀に成人した人たちが、どんな価値観を持っているかがよく理解できる。

ネットが当たり前の世代なので、つながりが密で
「コラボ消費は販売量だけを基準にした生産中心の経済指標から、現在と未来の人々の幸せを反映した多面的な価値の指標への移行と言うより大きな動きの表れでもある。」

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「ジョコビッチの生まれ変わる食事」

ノバク・ジョコビッチさんは、セルビア生まれの世界ナンバーワンのプロテニスプレーヤーである。

グルテンフリーを紹介した有名人として知られている。

グルテンとは、小麦、大麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種で、グルテンアレルギーがあると小腸の粘膜を覆っている細胞は、規則正しく結びついて並んでいるところに穴が開く。この弊害は中から毒素が漏れ出し脳に到達しキヌレニンという神経毒性物質を生み出す。

ピザ屋さんが親の職業だったため小麦を摂取するのが当たり前だったジョコビッチさんは、3位から1位になれない大きな壁の答えを或る博士からの助言で越えることができた。その博士は、ジョコビッチさんが負けた試合をTVで観て、即座にその原因が小麦にあると見抜き、アドバイスを与えた。

そこからの快進撃は、本を読んでもらうとしよう。「ジョコビッチの生まれ変わる食事」

彼の素晴らしいところは、東北大震災の後、チャリティー試合を行い全額寄付してくださったこと、そして、グルテンフリーを紹介する本を使命感で書いたことである。同じ食習慣を真似するプロテニスプレイヤーが出てきても、彼にとってはより重要だったことが窺い知れる。

セルビアでの生い立ち、戦争体験、そういう日本からは想像を絶する状況に対して現在でも取り組み続けているジョコビッチさんは偉い!

ちなみにグルテンが市販されているパンのフワフワにも使われており、殆どの人はアレルギーである無しに関わらずグルテンの影響を受けている。

私は3年半小麦を食べていない。うどんなどの小麦を使う製品も同じく食べていないので、小麦をやめた結果を正確に思い出すことは難しいが、頭と身体にキレが生まれたことは覚えている。

これは余談だが、本に紹介されていたように、朝のコーヒーに15CCのココナッツオイルを入れて飲むことも始めた。頭が冴える。