水資源をめぐる中国の対日侵略

ロシア政治経済ジャーナルを発行する北野幸伯さんからメルマガが届いたので紹介します。あの「プーチン」の著者である。

水資源をめぐる中国の対日侵略。後で転載するが、ここまで日本はやられているのかという驚愕のレポート。

先ず、水資源が枯渇した文明は滅びるという前提。
これは過去のいずれの文明にもあてはまること。

北京の大気汚染が200メートル先の視界を不良にしていることはニュースでも知られていることで、ガスマスクをして自転車に乗る市民の写真などが日経のwebサイトなどでも掲載されている。日本に及ぶ大気汚染は酸性雨を降らせ農業を直撃する。
そして、水資源の枯渇も深刻な状態。共産党だけが知っていて隠しているらしい。
工場の操業には工業用水が必須だが、地下水のくみ上げで枯渇している。
上海も同様で飲料水は二回フィルターを通しても飲めなくなっている。
大連に行った友人が、現地の寿司屋で食べたところ、包丁を飲料水で洗っていたため、ホテルに戻ってから七転八倒の苦しみとなり、仕事も全部キャンセル。それくらいひどい。

自然資源が限界にまで枯渇している。
以前、世界銀行のレポートで2015年には中国で環境難民が1500万人出ることを紹介したが、現実となっている。
中国はベトナムの上流で水をくみ上げるため、ベトナムが水不足に陥っている。これまた友人が紹介してくれた記事で、尖閣と同じやり方で、ベトナムとの国境ギリギリまで地下トンネルを掘って地下水をくみ上げるやりかたで水資源を確保しようとしている。

都市部での工業用水の不足から、工場を内陸部に移す動きが始まっているらしい。しかし、上海は、世界最大の三峡ダムが揚子江の上流にあるため、海運での移動ができなくなっている。三峡ダムは中国の電力需要のうち1割を供給しているが、自然現象の激変のため、毎年、干ばつと洪水で不安定な状態。

中国共産党は、全国民を救えるとは考えていないのだろう。大混乱に陥るとどうなるのか?日本に大量に押し寄せる中国人。その可能性は充分にある。

日本は硬水と軟水(飲料水)が豊富だが、国土の7割を占める森林が急勾配であるため、地下水のくみ上げには限界が出る。最近では、NHKのニュースで見たのだが、地中に穴あきパイプを埋めることで地下水にためるツールも利用されているらしいがまだ十分ではない。

海外では水をめぐって戦争にまで発展するケースは珍しくない。
そして今、ロシアが畏れているのが、中国が世界最大の淡水湖であるバイカル湖を狙っていること。

中華思想に国境は無いから恐るべし。個人としては善人もいるが、共産党が行っている戦略には注意が必要だ。生存をかけた戦略が稼働している。中国の投資リターンは8%設定なので、経済成長で8%を下回ることができず、数字の改鼠は当たり前。出てくる数字も信用できなくなっているため注意が必要だろう。
中国人は早く金を貯めてオーストラリアにでも移住したい、都市部の市民がそう希望している事実は知っておいた方が良いだろう。オーストラリアは中国への資源最大輸出国である。

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ロシア政治経済ジャーナル 特別号外 北野 幸伯

今回はなんと、

【中国の、日本侵略計画の全貌と、その進展具合】

がテーマだったのです。

・なぜ中国は、全国で日本の森林を買いあさっているのか?

・そのあきれるほどの規模は?

・なぜ中国は、新潟に東京ドーム3個分の「領事館用土地」を取得
したのか?

・退役軍人を続々と日本に送り込むその意図は?

などなど。

もうこれだけでも、私の心はズタズタですが・・・。

最後に、これがとどめをさしました。

<「2011年9月15日付けで『中華民族琉球特別自治区委員会』
が成立した」という広告が掲載された。

これは沖縄は日本の一部ではなく「琉球」という別の国であり、
しかもチベットやモンゴルと同様、「特別自治区」として中国に属す、
という宣伝工作なのである。>

嗚呼。

中国はやはり、尖閣ばかりでなく、沖縄も狙っている・・・。

ていうか、そもそも「沖縄は、中国固有の領土で、わが国の特別自
治区だ!」と考えている。

すごすぎです。

わかります。

皆さん、日曜日に気分悪くなりたくないですよね?

でも、この内容は絶対知っておいたほうがいいです。

「私には関係ないわ!さ、ショッピングにまいりましょう!」

なんて余裕かましていても、彼らの魔の手は、あなたの近くまで
迫っています。

きっとあなたとお子さんたちの生活まで、脅かすようになってくる
でしょう。

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■1.中国企業が買い漁る日本の山林

中国企業による日本国土の買い漁りが進んでいる。たとえば平成22(2010)年7月、北海道伊達市と壮瞥町の境界に広がる700ヘクタール(東京ドーム150個分)以上の森林を所有・運営していた日本のゴルフ場企業が経営に行き詰まり、中国人実業家の企業に買収された。

これでこの土地は実質的に中国企業のものとなったが、国土法によって所有者を届け出る必要があるのは、「新たな所有者が土地を取得したとき」のみである。この森林の場合は、買収されても所有企業の名前が変わらなかったので届け出の必要がなかった。

林野庁からの指示で北海道が調査した結果、平成20(2008)年までの3年間に取引された30ヘクタール以上の森林などの不動産は7万ヘクタール。取引を行った企業139社のうち、上記のように中国企業が偽装して山林を買い取っている例がどれだけあるのか、その資本関係まではつかみきれないが、正真正銘の中国企業が一社見つかった。

北海道倶治安町の57ヘクタールの山林の所有者は父親から遺産相続した山林の売買を不動産屋に依頼していたら、いつのまにか香港の企業に売られてしまったという。そのうちの32ヘクタールが水源機能を持つ保安林だった。同じく北海道ニセコ町では町内にある5つの水源のうち二つが外国資本の敷地内にあった。[2]

北海道ばかりではない。鹿児島県奄美大島一帯の山林の買収を進めている海運会社グループは、もともと日本人の同族経営だったのが、中国人役員が経営に参画し、その後、事業拡大が図られている。

三重県の大台町は、1000メートル級の山並みが続き、伊勢神宮を流れる宮川の源流として名高いが、この「水の聖地」も平成20(2008)年1月に中国企業に買い取られた。一人の中国人が町役場に来て、250ヘクタールの山林を登記していった。しかし、実際に買い取ったのは1000ヘクタールを超えるとも言われている。

■2.中国の危機的な水資源

中国企業と言っても、日本や欧米のような私企業を想像してはいけない。国や地方政府、軍が直接、経営している企業もあれば、個人経営でも、背後に政府や軍がバックアップしている企業もある。中国企業が海外で活動している場合、その背後には中国共産党がいると考えた方がよい。

中国共産党はなぜ日本の山林を買収するのか。日本の国会にあたる全国人民代表大会のメンバーがこう語ったと伝えられている。

__________
北京の水資源は危機であるが、この事実を国家指導者だけが知っていて北京市民には知らされていない。長江は世界一長い下水道と呼ばれ、地下水は90パーセントが汚染されている。北京に住む外国人も市民も逃げ出せば、全国の13億人は大混乱に陥る。[1,p139]
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10年以上連続で旱魃に(かんばつ)に見舞われている北京市では、1960年代から建設された80カ所以上のダムにもほとんど水がない。また全国の主要都市660カ所の中で、400カ所以上の都市で水不足となっている。

工場用地や住宅用地を作るための無計画な自然破壊で北京からわずか70キロまで砂漠が近づいている。我が国を襲う黄砂もこれが原因だ。[a]

■3.日本の水資源を狙う中国共産党

この問題に対処する手っ取り早い方法は、日本の山林を買収して、その水資源を確保することだ。

もっとも中国共産党は10数億の人民全体を救おうなどとは考えない。なにしろ1パーセントの特権階級が全中国の41.4パーセントの富を手中に収め(世界銀行の報告)、国民の賃金収入の総額は、GDP(国民総所得)の8パーセントと世界最低の国なのである。中国人民は、中国共産党の搾取の対象であっても、守るべき存在ではない。

おそらく、党や政府、軍の幹部たち特権階級が、自分たちの飲み水を確保し、さらには安全でおいしい日本の水を高く売って儲けようとしているのだろう。

我が国としては、美しい森林が乱開発されるだけではない。一朝事ある時に、上流で毒物でも流されたら、下流の都市部では大変なことになる、という安全保障上のリスクも伴う。

オーストラリア、カナダ、ロシアなどでは、外国人が森林・水源などの不動産を買うことを規制する法律を制定している。これは中国人による資源買い漁りを防ぐためだ。我が国でも森林法の改正など一部の動きはあるが、早急に法律の整備を進めるべきだ。

■4.東京ドーム3個分の「領事館」用土地取得

山林だけでなく、都市部の土地買い漁りも進んでいる。たとえば中国政府は領事館建設という名目で、新潟駅から徒歩8分の中心部に1万5千平米もの土地取得を進めてきた。ちょうど平成22(2010)年の尖閣諸島沖での中国船衝突事件の後、地元住民の強い反対運動があって、同年11月には売却が凍結された。

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岡潔さんの「春風夏雨」より

忙しさの中で、染み入ってきた日本が誇る大数学者 岡潔さんの文章。どんなに忙しくても公園を散歩することにしよう。

人の情緒は固有のメロディーで、その中に流れと彩りと輝きがある。そのメロディーがいきいきしていると、生命の緑の芽も青々としている。そんな人には、何を見ても深い彩りや輝きの中に見えるだろう。ところがこの芽が色あせてきたり、枯れてしまったりする人がある。そんな人には枯野のようにしか見えないだろう。これが物質主義者と呼ばれている人たちである。生命の緑の芽の青々とした人なら、冬枯れの野に大根畑を見れば、あそこに生命があるとすぐにわかる。生命が生命を認識するのである。こうした人にはまた、真善美が実在することもわかる。しかし物質主義者には決してわからない。

インド デリー、アグラにて

NPO高麗のインド デリーで開催された高句麗伝説にツアーで参加した。インドのコーディネイトは、シンさんという方が行いヒマラヤで野生児のように育ってしまった子供たちを引き取り育ててらっしゃる方だった。
高麗恵子さんの詩といだきしんさんの即興演奏で拡がる生命の空間。歴史の巻物のように絡み取られながらも存在の奥に残る生命の光がコンサートとともに喜び、笑顔いっぱいに空間に拡がる。子供たちは7歳から12−3歳くらい。その場、その時のすべてを引き受け即興演奏される音のひとつひとつは生命の宇宙の根源から始まって周りと融け合い照らし出す。コンサートは大成功に終わりインドではまた開催されることになる。
子供たちが10年20年経っても、ずっと関係は続いているだろう。
そのとき、子供たちの裡にインドの未来、地球の未来を自分のことのように考え生きていく力が宿っていることを祈っている。これからいろんな仲間と出会うだろう。辛いことも楽しいこともあるだろう。辛さを乗り越える力と知恵、そして愛が宿っていることを願う。

翌日、12/3デリーからアグラに向かう。バスで3時間ほどの旅だが、途中で見た小さな町では川が黒く汚れゴミが山積みとなり、野良牛がゴミをあさっている姿を目にする。
インドでは生水が飲めない。現地の人も同じで、家庭用浄水器は必須となっている。真っ黒な川からゴミをすくい上げる小さなクレーン車。日本のように治水とゴミ処理のシステムが無い。そんな町の汚れとともに人が生きている。日本の浄水とゴミ処理のシステムを輸出できないものかと思案する。水のことを研究している友人に話してみよう。経済成長と共にインフラが解決しないと。まだまだ貧困の中にあることが分かる。

インドの貧困は様々な社会問題に現れている。その一つに子供が犠牲になっていることが挙げるられるだろう。

十年前にインドに行ったというツアーコンダクターの方から、インドは変わったと聞く。都市部の小学生や中学生は皆笑顔で優しさに満ちている。会えば手を振ってくる。インフラは整っていないが人々にエネルギーを感じる。日本と相性がいいことを実感する。

この一年、インドは経済成長が減速したとされるが、人々の笑顔とそこに宿るエネルギーを感じていると、ポテンシャルの高さが、いずれこの国を大きく押し上げる事が分かる。

タージ・マハールを訪れる。美しい。大理石で建築された霊廟で、イスラムの建築である。インドの82%はヒンズー教だが、ムガール帝国との入れ替わりによってヒンズー、イスラムが混在している。インドには更に、仏教徒、ユダヤ教徒もいて多宗教の混在状況だが、考え方によれば、それらいくつもの宗教を受け入れながらも今に至っているのは、元の器に愛があったからだろう。

男女仲睦まじい姿を多く見かけた。素晴らしい。

インドにはまた行くことにしている。
このきっかけを創られたNPO高麗のいだきしんさんと高麗恵子さんに感謝。

中東紛争の整理 11/18

私の理解では、
中東の緊張が高まったのは、2006年か7年にイランが開発した長距離ミサイルが、イスラエルまでの距離をカバーし、マフムード・アフマディーネジャード大統領はイスラエルを国として認めていない。欧米の判断は、それが本当かどうか確認することから始まり、どうやら本当だということになった。(当時の佐藤優氏のラジオ解説より)

中東の火種は、欧米が作ったものである。
1915年のフサイン=マクマホン協定、1916年にイギリスとフランスの間で締結された「サイクスピコ協定(秘密条約)」と1917年のバルフォア宣言に遡る。フサイン=マクマホン協定、サイクスピコ協定は、アラブ人の居住地の独立支持を約束し、具体的な線引きをサイクスピコ条約で決めた。ここにロシアも絡むがひとまず置いておく。
それに対して、バルフォア宣言は、ヨーロッパ全体のユダヤ人を代表とするライオネル・ロスチャイルド伯爵(イギリス)に対して認めたもの。その後、ロシア革命でイギリスの結んだ協定が露呈することになり、このイギリスの三枚下外交が暴露されアラブ側の反抗を買う。細かな解釈はあるが、概ね間違いは無いはず。

インドの左右に何故パキスタンがあるのか?欧米がユーラシア大陸に地理上の火種を残すことで、将来的な利益確保を優位にすることは、よく知られている。

別の観点から書けば、ユダヤ人には、アシュケナジーとスファラディーの2種類がおり、古のユダヤ人はスファラディーでセム族のため皮膚も黄色で白人系ではなく、パレスチナでも共存していたらしい。1915年から1917年にかけて結ばれた協定で、ここに火種ができ、イスラエルが建国されたことで火事が起こった。

このアシュケナジー系ユダヤ人の話はルーツは、カザール帝国(ハザールとも言う)に遡ることができ、当時、キリスト教とイスラム教の双方から攻め込まれ改宗を求められ苦肉の末ユダヤ教を選択し、その後、帝国が解体し離散したのが、アシュケナジーのルーツであるとする。(アーサー・ケストラー「『ユダヤ人とは誰か―第13支族、カザール王国の謎』」より)これは有名な話なので、ご存じの方も多いだろう。

しかし、元はと言えば、ユダヤ教もイスラム教もキリスト教もルーツはアブラハムの宗教として同じである。

頭と体は分離できない

夜、妻と公園を散歩する。歩きながら話すと話がはずむ。

事務所に高さ110cmの仕事用テーブルを昔設置したのだが、長らく使っていなかった。明日使ってみよう。
このテーブルは昔、埼玉のキヤノン販売が立って会議を行うと非常に効率が上がったというので真似てみた。

頭と体は本来分離できない。体がなまると気持ちもダレるし頭が働かないのは当然のこと、筋肉が衰えると外部からの衝撃に弱くなる。

12月にインドに行くので妻とインドと日本の関係を話す。
直感だが螺旋が関係している。
縄文土器は渦が巻いている。
文化のルーツともいえるインドと東のはての日本が通底している。

タイラー・コーエンの「大停滞」、「インセンティブ」、「創造的破壊」、「フレーミング」

土日でタイラー・コーエンの「大停滞」、「インセンティブ」、「創造的破壊」、「フレーミング」に目を通す。
ゲーム理論について基礎を勉強。

「大停滞」は、1980年代移行で賃金は上がっていないし、インターネット以外の目新しい技術革新は無いという前提で、そのことを実証的に数値を上げて書いている。政府が税金として徴収できる「刈り取れる果実」が無くなってきている。
ネットは構造的な変容に関係しているので、参加したもの参加していないものの差が激しくなるという今まで語られてきた意見も。このネットの技術革新が、恩恵をもたらす反面、大きな収入をもたらさないことも指摘。この傾向は、「フリー」のクリス・アンダーソンまで行き、企業にとって収益の上げ方が変わる。ネットの登場で家電など価格競争にさらされるのは当然で、商品のライフサイクルも短くなり売れる商品と売れない商品の二極化が進み、社会全体にデフレ圧力が高まるのは必然であり、大量生産大量消費型のマーケットからユーザーオリエンテッドなマーケットに構造変容するのは仕方ないこと。
最後は、イノベーションをもたらす科学者の地位向上を図れ、というところで結ばれている。レオナルド・ダヴィンチは、芸術家として有名だが科学者としての側面が軽んじられているとも。
昔、ゼロサムという言葉が流行ったが、これは市場経済がゼロサム成長であるとは言い切れないので、今は語られない。ゼロサムがパイの食い合いを重商主義とセットで語られていることが多いということを若田部さんの著作でキーワードとして語れていることで学ぶ。

「インセンティブ」実に豊富な例が紹介されている。以下、目次:「内なるエコノミスト」の声がもたらすインセンティブ、実際のお金、ビジネス文化、芸術作品と自己愛、自分に有利になるようなシグナリングとその心理のケース紹介、自己欺瞞の欠点と美徳を支える点、とにかく美味しく食べる極めつけの極意で自分に有利な方向に変える例、七つの大罪(傲慢、強欲、放蕩のちの色欲、嫉妬、暴食、憤怒、怠惰、クリスマスプレゼントは世界を救うだろうか=他人を助けるための助言)、内なるエコノミストとわれらの文明の未来。インセンティブの心理的要素を豊富な例で紹介。)

「創造的破壊」
シュンペーターのキーワードを、コーエンが現代で文化を中心に検証。グローバリズムが逆に文化の多様性を生み出しているという説を貿易利益モデルから紹介。「文化の同一化と差異化は同時に起こることが多い。」「多用性とは、集団を互いに孤立させる機能ではなく、集団同士を互いに結びつける関係である。(クロード・レヴィストロース)」「異文化間交易は、それぞれの社会を改変し崩壊させるが、結局はイノベーションを支え、人間の創造力を持続させることになる」。またエートスの脆弱性と諸問題として異文化交易を検証。ミネルヴァモデルとして交易がエートスを壊滅させるより先にエートスの創造的成果を流通させること。多様性のパラドックスつまり多様性という価値観の受容を拒む社会があったほうが世界の多様性が進むというGは苦節の紹介。アメリカの文化帝国主義について。最小公分母効果は、異文化交易の結果生まれる多様性として、つまり万人に向けた製品は逆に衆愚化するため、文化はおのずとこの分母を守ろうとする。国民文化は重要なのか、など。
日本への序文が付いている。震災後、日本人の創造力がきっと日本を立ち直らせるという応援メッセージ。確かに日本の持つ異文化を受容して創造する力は非常に高いことが知られているし、日本人の変わり方そのものは変わらないいうこの強さを失ったとき、日本は本当にヤバイとなる。

ゲーム理論については、経済でも政治でも参考になる。経済ではインセンティブがゲーム理論に関係するのだろう。
ゲーム理論入門という下記の紹介が参考になった。
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/yus/ecolab/game.html
非協力ゲーム理論の無限回数型については、国際政治での適用が語られるだろう。尖閣をめぐる対立は、ゲーム理論的に言えば、中国のためにも日本のためにもならなかったはず。日本も中国側を読み誤まり損をした。損を得にしているとすれば日本の企業が、この対立が続かないことを読み、無償で車を修理したりしていること。この判断は先を読んでいる。
韓国については、ハンの思想を知る必要があるだろう。韓国は自殺率が非常に高く、高麗大学のアンケートで再び生まれるとしたら韓国に生まれたいか?という質問の答えが、なんと5割しかなかったことは知っておくべきだろう。ゲーム理論で複雑化したときの集合的考え方は専門領域に入るので、今後。

あと行きつけのスパに行ってスチームサウナに入り、DVDを4本見て週末はおしまい。ショーシャンクの空の下で、を再度観る。脚本が優れている。脱出テーマは、いつ観ても引き込まれる。

時間と記憶 ふと気がついたこと

ふと気がついたこと。

関係を築くには、壊す時間の5倍以上の時間がかかる。

洞窟に壁画を描き始めたときから人類には知性を物質化する能力が顕在化したが、同時に記憶を定着させることにもつながった。恨みは記憶と結びついている。恨みを消すには喜びや幸せだと感じる量を5倍以上に増やすことで忘却させることができるだろう。

時代の中で情報が密になってくると、ちょっとしたきっかけで情報が物質化して顕在化してくる。棚上げされていた尖閣の問題も然り。液体の中で濃度がある密度を越えて結晶化してくる化学的反応に近い。平和は結晶化せず流動性と運動の中で対象化されること無く交流する。

世界各国で政治が機能しなくなってきているので、地域紛争がますます増えるだろう。マクロでは問題の解決が先送りされ、ミクロの張り巡らされたネットワークから立ち上がってくるもの、そちらに重心が移ってきている。

希望はどこにあるんだろうか

今週は、 T さんと会食。宇宙エレベーターの話を聞く。地球の軌道上に基地を作り、地球とその基地をエレベーターで結び、地球の回転に合わせるという壮大な計画で、アーサー・C・クラークの発案らしい。私もこの話は知っていて、2050年頃にNASAが完成させる予定で進められていると話し盛り上がる。赤道上に構築するらしい。
私はこの話を知ったのは、太陽光発電がこのシステムで成立すると、数万倍もの電力を作ることができるということからだった。核廃棄物の問題も地球の外に捨てさせてもらって解決するだろう。今は宇宙語膨張してる段階なので、この廃棄物の問題も大丈夫かもしれないが、何十億年もたって宇宙が収縮する段階に入った時、戻ってくる可能性もあるかもしれない。
いずれにしてもこういうぶっ飛んだ話は、面白い。
そのあとは、江戸の話で盛り上がる。
江戸時代の性がいかに豊かだったかというところで、性の話は明るくおおらかに語るにこしたことはない。現代文明のダークなところは、ほとんどが性の歪曲に起因しているだろうから、閉じれば閉じるほど、塞げば塞ぐほど、いびつさが出てくる。難しいところだ。

土日は読書。若田部昌澄さんの「日銀デフレ」「本当の経済の話をしよう」を読了。リフレ派の論客として有名な若田部さんの著作。
日銀デフレは、あの官僚制度どっぷりの体質とリフレ派から見たら逆ばかり施策する日銀の歴史を読む。日銀にとってインフレが恐怖になっていること。今の日銀法が1997年か8年に棚からぼた餅で改正となり、日銀の独立性が保証された経緯。旧法は昭和17年か8年に制定された。
デフレ時代に逆をやるもんだからたまったもんじゃない。これはクルーグマンあたりも日銀批判は行っていて、90年代後半に速水総裁が、バブル後の金融引き締めという逆の施策を打ったため、日本のデフレ脱却がほぼ無理になったことは指摘している。
本当の経済の話をしようは、インセンティブ、トレード、含め4つのキーワードで経済を説明できるとても分かりやすい良書。インセンティブは誘因と訳され、内的な要因であるモチベーションとは区別されている。インセンティブを広義で捉えたほうがいいだろう。従ってどんな選択が得になるかシミュレーションするゲーム理論も射程に入る。笑ったのは、2歳の弟のトイレ付き添いでインセンティブがもらえる5歳の姉が、弟を頻繁にトイレに行くようにするため、水を飲ませるという下り。まあ、こういうのもある。
同じくインセンティブについて書かれたタイラー・コーエンの著作を予約。
心理学と経済が融合したミクロ経済についての良書で25年かけて書かれた著作、八田達也さんの「ミクロ経済」も予約。

マクロで明るい材料って無いんですよね。だから鬱的な時代になっている。
そんな状況の中で、人と人の関係、そこから生まれる創造的エネルギーについては、未来がある。というところでミクロ経済のお勉強はこれから。

先週の金曜日は、アメリカの雇用統計の発表があり、良い数字だったが、本当だろうか?元GEのジャック・ウェルチも疑念をコメントしていたが、6日に大統領選挙なので、悪い数字が出ると現政権にとってマイナス材料となるため、裏で何か作為があっても不思議はない。CNNでは、コーネル大学を出てもスーパーの裏方仕事しかない学生が、いかにアメリカでも20代で仕事が無いかを訴えていた。これは日本も中国も同じ。日本では非正規雇用が20代で5割まで達しているし。
今春卒業してベンチャー系の会社に就職した元大学院生の知り合いも、先日会ったところ、昔の元気さは無くなっていた。企業が効率化を求める結果、20代の人たちを機械のように酷使する傾向は益々強くなっているのだろう。育てる余裕が無くなっているようだ。育てるためには、失敗を許容し、フィードバックさせ、精神的にも成長できるよう見守る必要があるが、統計上でも20代の労働時間が増え続けており、いずれロスジェネの逆襲が起こる可能性もある。つまりスピンアウトして、俺たちで会社作っちゃうもんねえ、という当たり前の傾向が、いずれ起こることの方が望ましい。
今の家電業界では既にこのスピンアウトで独立していく若い人たちが出てきているようだ。
うん、頑張れ、ロスジェネ世代!

右利きの人が左手で書いてみると

中学時代に右手を骨折して、試験を左手で書いて受けることになった。
二週間ほど書いてみると慣れてきて何だか気持ちのいい感覚まで生まれてきた。結果、それまでの成績より良かった。ふと思い出して今度は文字を右から左へ書いてみる。左手の場合、右から左へ書く。いつも使っている神経回路を変えてみることで、その変化を楽しんでみたい。

町を歩くと看板やPOPや、すべて左から右へ書かれている。これが逆になったら思い出す。一文字一文字刻むように書いている。これが速く書けるようになると何が変わるのだろう?きっかけは運転免許証の更新時に受けた講習で利き眼はどっち?というのをやった。ここまで効き眼に依存していたのかと驚く。これが右目に眼帯までして左手で書くと完璧だ。効き眼、利き手は後天的に鍛えられてしまっているので、小学校のときにでも、この逆をやってみると面白い。先生も左手で黒板に右から書く。教科書も全部逆。

右利きの場合、交差神経で左脳につながっているので、計算とか論理が強くなる。右脳は感覚的なものを司っているので、その役割が強くなる。中学のときの感覚を今でも覚えているのだが、何か裡から生み出しているような感覚だった。外側の計算だけでは飽き飽きしてしまっていたので、もってこいの体験だ。

15年ほど前から電話は左耳で話すようにしている。そのほうが人に優しくなれるような感覚だからだった。これは簡単にできるので、人に勧めてみよう。絵や企画書の中に図形を描くときも、これでいってみよう。パソコンも右から左に打てるようになったら面白い。左利きの人は困っているんだろうなあ。

今日のブログは、日記帳にこれで書いてみた。

まずは

世界が122年振りの猛暑を終え、秋の帳が降りた。

最近どうしてこんなに哀しくなるのだろう。まるで深い哀しみの大河にいるようだ。
表面的な言葉にも、瞬間的に誘われる笑いにも乗っかることができず、自分と向き合ってみると、まるでユングの集合的無意識のような深い哀しみの大河のようなものを感じる。

それは私一人ではなく世界中で多くの人々が共通に抱いている何か、ツケ刃もカンフル注射も効かない、そんな風に感じる。

こういうときは、ドストエフスキーを読むか、宮沢賢治を読むか。。。

この深い大河は何かを予兆しているのだろう。
いろいろな強欲が渦巻き、表層が繰り返される歴史の下で流れている何か。
すべてが終わってもそこから始めるしかない何かが集合的無意識のようにある。
認識は抜け出ることの第一歩だが、意識では抜け出せない。

まずは、秋の澄み切った空のもとで深呼吸してみるときに得られる自然からの応援を、瞬間から永遠まで拡げてみよう。
まずは、今日も昇りくる太陽の恵みを体いっぱい受け取ろう。
まずは、この宇宙で人類がまだ生きているとしたら、それは一粒の砂であっても希望が存在することだと考えよう。

5次元 余剰次元について

薦められてリサ・ランドール著「ワープする宇宙」を読む。

私たちは三次元+時間の1次元の四次元に住んでいるが、この四次元は、5次元の断面でしかないという余剰次元理論を可能性を解りやすく紹介してくれている。

特殊相対性理論、一般相対性理論から始まり、量子論も数十頁で、内容の濃い紹介をしてくれているので、余剰次元の理論を組み立てるに至る前提理論を踏まえることができる。
巧みな比喩で理解させてくれる能力は、文学にも造詣が深いことを想像させるが、生活の中から拾い出してくる身近な例で理解させてしまうスピード感に溢れていて、読者に理解の達成感を与えている。

例えば、対称性の破れについての比喩。
丸いディナーテーブルで皆が席に着いており、水が置いてあるとする。右にある水を取るか、左にある水を取るかで、全員の取り方が決まる。はじめに水を取ったときに対称性の破れが起こる。というように解りやすい。

今話題のヒッグス機構についても、この本を読むと、この不思議な粒子の位置付けがわかる。

この人は最も深いところでワクワク感があるのだろう。宇宙の謎解きに恋をしている波動が伝わってくる。
そして、宇宙物理学を語りながらも人柄が見えてくる。例えば余剰次元の共同研究者であるラマン・サンドラムがいるのだが、彼女は、常にラマンと私は、と共同研究者の先に記している。本質的なことしか研究しないラマンがその研究姿勢で博士課程を4期経ながらも、なかなか上の職に上れなかったことを彼女は心配しており、くじけそうになる彼を励ます話は、心根の優しさを窺い知ることができる。

そういう周囲のハーモニーとチームワークを作りながら、ワクワク恋の一直線で余剰次元の可能性を解き明かしていく明晰さは、宇宙との相思相愛から生まれる集中とエネルギーに満ちている。相思相愛だから向こうから扉を開いてくれる。

私たちは、宇宙の中の地球の上で生きながらも、宇宙について、まだ殆ど解らないでいる。
4次元が、余剰次元と交流しているとしたら、一体それはどういうことなのか?
はたまた、何故、宇宙は膨張しているのか?
何故、銀河の渦巻きと巻貝の渦、台風の渦巻きなど自然に存在する渦巻きは同じフィボナッチ係数となるのか?
五感と物質的意識に縛られているのだろうか?
本来人間の精神はもっと自由な存在であったのではないだろうか?

人間は今までに作り上げてきたものに縛られて生きていることは確かだろう。日常と物質がすべてだと意識するとバベルの塔さながらに、まずは自然の法則から逸脱し、ひいては宇宙の法則から逸脱していっていると考える方が外していないと思われる。

恋は彼方へ向かわせる。

人間を超えたもの、それは、宇宙でもあり、自然でもあり、神でもあり、神々でもありる。
古代においては、相思相愛が断ち切られたときに生じるエネルギーの消失から畏敬する心が生まれたのだろう。

この本は、面白い。

アジアの未来について考える

第一次大戦後のアメリカの好況が、ウォール街の大暴落に端を発した世界恐慌の後、第二次大戦後のブレトンウッズ体制をもって合意した。(ウォール街の大暴落が、第二次大戦で終結したとは言えないので、修正。日本では高橋是清の金本位制からの離脱と大幅な金融緩和政策によるリフレで解決、同じくアメリカでも恐慌後のFRB金融引締め策の失策の後、金本位制からの離脱と金融緩和策で回復。11/4付)QE1,2,3と続くアメリカの追加緩和策は、カンフル剤で世界を持たせている手法。
QE1,2で加速されたインフレの後、止めればデフレという繰り返しの中で、残されている手法が無くなってきた。
膨大に膨れあがったマネーの流通が、どこではじけるか。
資本主義は次の成長へ向かえるITに次ぐ産業が生まれない限り、この巨大なリスクから逃れられず、ちょっとした亀裂が大きなヒビ割れを起こすようにして、持たせ続けてきた状況が一挙に崩壊する可能性を常に孕んでいる。

中国は、昨年から欧米からの投資引き上げが行われており、増資しているのは日本だけ。
0.4%の富裕層が7割の富を握るアメリカ以上の格差社会であるため、国内暴動は年間1万件を越えている。今秋の政権交代にともなって富裕層の海外への資産移転は急速に進んでいる。中国の政権は、北の共青団中心の現政権と南の太子党(昔の江沢民)との間で、相互に政権が入れ替わる。
古代においても、思想面は、北が孔子の儒教、南は老荘思想というように異なる。文化大革命の際に、孔子批判が行われたことは有名だが、今は修正されている。
しかし、唐、宋の優れた文化は元の侵攻により失われ、加えて4000年来の価値観であった「友」は、1992年以降の修正資本主義によってマネーに置き換わった。古来から伝わる文化が希薄になったため、社会の制御力をすでに持たず、資本を生み出す力が、中国人口のピークである2040年頃には大高齢化社会とともに大きな転換点を向かえることも意味している。

今秋就任予定の習近平(太子党の江沢民系)は、南の太子党になるため、胡錦濤ー温家宝政権&鳩山ー小沢政権で見られた当初の蜜月は、厳しい。胡錦濤直系の李克強(小沢一郎のもとで書生をしたので、小沢ー中国には太いパイプラインがある)は、習近平の次の指導者として北京側で内定しているが、それまで日中関係は非常に厳しい状況となるだろう。

バブルの亀裂がはじけたとき、アジアで影響を受けるのは、中国と韓国、そして日本である。はじけたときの中国の荒れ方は、すさまじいものになるだろう。それは今回の尖閣問題の反日デモを見れば判る。この反日デモは、欧米諸国が対中投資への疑問を呈している。韓国は1997年のアジア通貨危機をIMFからの借入で乗り切っており、海外貿易依存が97%に上る。サムソン1社でGDP18%という脆弱な基盤の上に成り立っている。中国、韓国は、日本やドイツのように中小企業が強くない。

ガツンと落ちた後のアジアの展望を見据えていないと、混乱から生じるナショナリズムが火に油をかけ、政権は本来の問題を逸らすためにその混乱を利用するだろう。

アメリカは、20年先において朝鮮半島の安全保障に対して力をかけられなくなる。これはアメリカの多極主義者の展望であり、それはアメリカの財政赤字とGDPが20年先には中国に抜かれ、アジアの安全保障に対してコストをかけることができなくなるという前提で組み立てられている。白人比率も20%まで落ちる。多極主義者がめざすG2、アメリカと中国で世界の体制を作ろう、というビジョンは、キッシンジャー、ブレジンスキーらの立案がベースになっている。今のアメリカは、クレジットカードの発行減少にみられるように、自分たちのライフスタイルを消費過剰の傾向から見直すようになってきており、今後、自分たちの身の丈にあった生活と消費に戻る傾向が高く、これは逆にドルを強くする。

日米安保条約も効力を無くしていくだろう。

そのとき、日本は、そこにインドを加えて、アジア経済の将来にどう貢献できるか、そこにかかっている。

7月シンガポールの大学の先生を話す機会があった。
日本の政治的混乱については、深く頷いて、シンガポールは、将来的なビジョンとして中国とインドの方向を見ていると語っていた。

将来的に、中国と韓国の反日教育と運動は、両国の国益を阻害することになるだろう。大混乱で底をつくまで売られ、そして買い戻されるというヘッジファンドの餌食となるだろう。ちなみにリーマンショック前のアメリカGDPに占める金融マーケットの比率は、3割である。日本のGDPは、450兆ほどなので、その150兆が金融マーケットで稼いでいることになる。

たとえ大混乱があっても、その先に、アジアの共存と平和を見ていない限り、ヘッジファンドの餌食になることは確実だろう。20世紀半ばまで続いたアジアに対しての植民地政策がかたちを変えて進行することになる。ヴィジョンの共有が無い限り、困難に耐えることは無理であり、今はまだ厳しすぎる。

ユーロ、世界経済、そして若い人たちの希望

今年はアメリカ大統領選の年。アメリカの現政権は、選挙まで株を落とすわけにはいかないため、何が何でも上げてくる。そのためには、ユーロ危機すら手のひらを返したように買い戻しが入る。ドル売りユーロ買いが株上げの条件となる。つまり、リスクオフでないと株は上がらない。リスクオンでドル買いとなる。
このユーロ買いは、ユーロ共同債で南欧を救うというプランが前提となっている。9月12日にこの共同債が違憲かどうかの審議結果が出る。ほぼ条件付きであれ通ると読まれている。その後のFOMCにおいても、バーナンキ議長のドル安肯定はよっぽどのことが無い限り崩れないと見られている。9月7日のアメリカ雇用統計の数字が良くなかったため、いつ何時でも追加緩和の用意があるというメッセージングもユーロ高を支持している。
このリスクは原油高であるが、全体として、危機救済のためには仕方ないと見られているだろう。

はたして、この流れはいつまで続くのだろうか?年内はもつかもしれない。

要は、2007年6月をピークとして、リーマンショックに至った経緯は、未だ薄氷の上を歩む資本主義が、次の新しいステージ、産業を生まない限り、何も変わらないこと。一時的な戻しであることになる。何故、リーマンは潰されて、AIGは残ったか?デリバティブの残債が巨大であったこともさることながら、リーマンはロスチャイルド系に分類され、アメリカの新興財閥系WASP系ではなかったため精算されたと見るが、たった8%の損失でもあれだけの震度があったのは、CDO,CDSのデリバティブがそれまでの限られたマーケット市場の規模を数学的に非常に複雑な仕組みで実体経済以上にパイ自体を巨大に見せ、市場参加者の利益を嘘のように作り上げた結果、サブプライムに発する小さな亀裂が全体の亀裂につながり、複雑系の「べき常則」である砂山に砂を積みまして突然崩れるようにして崩壊し、その後は、追加緩和策を2回実行し、今に至るというのが金融の歴史だ。

今年のギリシャ危機からスペイン危機がたった数ヶ月前のことであり、世界は四半期で激変するのが当たり前となっている。

中国とインドの落ち込み方もひどく、友人に中国の状況を聞いてみたところ、日本と同じで大学を出ても就職が無い学生が5割。インドは投資不適確の烙印を押され、今後の展開に苦しんでいる。韓国も同じ。韓国は1990年後半に国家財政破綻し、IMFの介入があった訳だが、この理由は、対日本へのジェラシーが競争力分野で造船などマーケットを見誤ったところに巨額の投資を行い、アジア通貨危機(ジョージ・ソロスがタイ通貨への仕掛けた大暴落に端を発する)で財政が破綻した。その後、IMFは8%(何故こんなに高いかは悪徳な理由がある)ほどの金利で韓国を救済するという名目で高金利政策を行い、海外からの投資を集め持ち直すが、韓国経済は、外資に依存し、輸出に依存する脆弱な基盤であるため、次に恐慌レベルの落ち込みがあり全体の経済が信用収縮したとき、とても持続できる基盤ではないことが知られている。日本は通貨スワップでこのとき韓国を救う訳だが、竹島問題で今白紙に戻している。

さて、話をもう少し遡ってみると、ウォール街の大暴落に端を発した恐慌は、第一次大戦の後、巨額の負債に苦しむドイツからヒトラーを生まれ、第二次大戦を経てようやくこの恐慌に解決がついたという歴史がある。今の状況は、昔ならば戦争しか解決の手段が無かった。
まだ、膨大に拡がる世界中での暗黒デリバティブの負債を解決するのは、マネーサプライを増大させるしかなく、インフレにもっていくしかないのだが、経済成長がゼロサムを続ける限り、自ずと限界がある。ハイパーインフレにはできない。デノミ、通貨バスケットでの地域的解決が、このインフレの解決手段になるだろう。

回避できるのは、次のステージに向けた資本主義・社会のメタモルフォーゼというか変容しかなく、個人の自由と社会の調和、創造と幸福、相互扶助をキーワードにした人が生きる内的な意味でエネルギーが優先される社会と経済のポテンシャルが上がることによって達成されるだろう。
この変化とともに次の社会がある。エントロピーの増大と複雑系は避けて通れず、積極的に受け入れて明日を生きることでしか開けないのである。だからやることが多くなる。

現在、どこの先進諸国においても政治が機能していない。
あまりに複雑すぎる要素に対して政治が対応できなくなっている。

日本にはすべてが集まる。
神も文化もモノも。そして受け入れられている。
多様性を受け入れて自分たちのものとし、明日を生きる統合力を持っている。

日本人には何故それができるのか。
私は海外30数カ国に行ったが、こんなことができるのは日本だけなのである。

戦後の愚民化政策からの覚醒は、歴史的事実を認識することから脱出するとして、自分で物事を考え動ける若い人たちが増えてくるだろう。

20代の人たちと話すと、就職先にこだわっていないようになってきている。世に言う一流企業に就職しても5年後にはリストラにあうかもしれず、自分たちの能力と経験値を上げる人との出会いを求めているように思う。団塊の世代とロスジェネの断絶もここにある。そして退社の理由の8割が上司との不和という理由がある。

日本の大企業は、戦後に誕生しすでに60年経過しているため、システムが古い。特に意思決定が遅いのと、既存権益組にも配慮しなくてはならなかった。しかし、仕事をする上で大切なマインドからやる気、ビジョンの共有を築くシステムが単純すぎて状況に合わず、古くなっている。今までのシステムで生きることができた団塊の世代や50代60代の人たちは自分たちの経験値で物事を図るためギャップが生まれている。私の周りで20代の人たちが独立していくケースが目立ってきた。とても元気だ。話していると仕事をしていないオジサンたち、世間知らずの自己中オバサンたちがうざくなる。

こういうイキのいい若い人たちが、日本を捨てないことを祈っている。彼らはとても仕事をしている。
いずれ彼らは会って元気になる人との間でしか仕事をやらなくなるだろう。
すでにオジサン、オバサンたちに下克上を突きつけている。

若い人たちにニーチェが読まれているらしい。ニーチェは言説がすべて反語になるが、読み方を間違えない限り、自由と価値の創造を説いている。

ハイブリッドで行こう

新宿で友達と飲んでいた際、カーテンに仕切られた隣のテーブル席から20代の男女6人ほどが賑やかな話し声で性を話題にしていた。かなり大きな声で隣のテーブルの私たちにも聞こえてくる。
31歳の彼と25歳の彼と付き合っていて、31歳のほうのアレは試験管みたいで、と凄い話で盛り上がっている。見た目は普通におしゃれをした女の子たちである。書くのが憚れる内容が女の子たちの口から勢いよく飛び出し、快感話の洪水が向こうのテーブルを渦巻いている。友達と顔を見合わせ、しばらく聞いていた。性を対象化して物質化しているのは明らかだが、今回、道徳的な判断は無しとして、考えてみた。

エネルギーのポテンシャルが驚くほど高い。聞こえてきた言葉のひとつに「本能」という言葉があった。止むにやまれず突き動かされている前駆のエネルギーがある。普段、親や大人たちとの間で見せている彼女たちの顔の背後には、この突撃するような快感一直線の本能が渦巻いている。本能は彼女たちのエネルギーを肯定し、即座に状況を取捨選択する直感の強さも持っている。
性であれ、スポーツであれ、その対象の中で突破してくる前駆の優位性は、女の子たちがある意味、突然変異して目覚めたかのようで生き物としてのサバイバルを始めているようだ。大人たちはそのことを理解できないでいるだろう。

世代的にはロスジェネにあたる彼女たちは、男の子たちが、社会と自分との関係、上司と自分との関係などの諦念が、やっぱりダメかなあという閉じた円環的時間意識の中で人生を定義して勢いを無くしていくのに対して、空間的突破力ともでも言うべき凄みがある。

時間意識に対する空間意識。思考に対しての直感。

店を出た後、友達とこのエネルギーが日本をサポートするかもしれない、という話をする。結婚に幻想を見なければの話だが。

ふとハイブリッドで行こうというメッセージが生まれる。
体から受ける信号は男もハイブリッドになっており、この体を情報センターとして復権させると、蘇ってくるものがある。