EUと中国 そして世界の多様化

ウォールストリート・ジャーナルによると、ユーロが落ちそうで落ちないのは
ユーロが中国の外貨準備高とリンケージされているからだ、ということらしい。
これは分かる。今までだったら、1.2あたりをめざしても不思議はなかったはず。

ギリシャ、スペインと続き、普通だったら急落するはずだが落ちない。

これは、世界は多極化していることの証になっており、ニュース情報が現実と異なっているのも、この多極化を捉え切れていないからだろう。

逆に言うと、年初だったか、中国の成長率が落ちたとき、オーストラリアも影響を受けた。

米vs中国の国際政治が、こういうところでもつながっている。

ドル円は季節柄、5月にガッツリ落ち、その後、上げに転じるだろう。まずは95円くらいをめざすことになるだろう。少し遠い先、110円まで戻れば、海外での生産から日本国内に戻すことができ、地方のシャッター通りが消えていくことになる。しかしこれには、日銀の金融緩和政策、riskのonかoffか、日米の金利差など条件がある。やはり、リーマンショックが歴史のターニングポイントになっており、つぶしてみたらあれだけの激震が走り、世界全体をインフレにもっていかなければ、奈落の底に落ちたあの事件は、今後の通貨供給のあり方を決定づけている。しかし、これまたインフレで原油が上がれば、原油高とリセッションは非常に関係が深いため、調整につぐ調整となり、ドル高のトークアップがなされているのが現状。
2007年の7月にガソリン価格は180円をつけ、その1年後、2008年9月にリーマンショックが起こったことは、この裏付けとなるだろう。元々は、アメリカのヘッジファンドが、利潤を上げにくくなった状況から、数学的に非常に複雑なデリバティブを開発し、全体のパイが大きくなって投資収益を得られると錯覚させところに原因がある。
M・フリードマンの学説は、恐慌を前提とするため、シカゴ学派が彼の記念館を作るというプロジェクトに、一部強力に反対した学者たちもおり、その良心をまだ持っている人たちがいることに、アメリカの希望を見たい。
ドルはまだ世界の基軸通貨ではあるけれど、4月のBRICS共同宣言では、ドルに依存しないことを初めて発表し、彼らは、ポストアメリカの時代に向けて、着々と準備している。
何十年か経てば、通貨バスケットの時代に突入するかもしれない。