シリアの状況について考える

FRBが緩和縮小に向かう宣言を出した6月、株は一気に下げ、為替は大荒れ、あまりの影響の大きさに再度、ハト派の傾向を盛り込み、のらりくらいの数ヶ月。
いずれ、緩和縮小に向かわざるを得ないため、それがいつなのか、どれだけの下げが来るのか、焦点を合わせようにも合わせられない数ヶ月。
EUはドイツ以外は強くないのと、フランスの格下げ話から分かるように、フランスの経済状況は決して良くないところで、シリアの話が出てきた。それにイギリスが乗った。
8月末の段階でイギリスは議会が通らず、アメリカも議会承認を得てからという手続きを踏むことになったが、オバマはブッシュの二の舞をするほど、馬鹿ではないだろうが、いかにだまくらかして兵器産業に金を回すか苦心惨憺しているのが透けて見える。
シリアの反政府軍は傭兵の集まりで、シリアの市民ではない。シーア派とスンニ派の対立から生じた中東の軋轢を外部が利用しているのだろう。シリア国民は誰もこんな内戦を望んでいないだろうし、シリアを舞台に戦争を引き起こすことで金儲けができる勢力にとって、今回はまたとないチャンスと見えたのだろう。アメリカ国民でもシリア参戦支持は、9%だという。
アメリカは世界的な戦争に持って行き、これまた日本からは、がっぽり戦争協力費を吸い上げる計画だろう。しかし、この金は、日本国民の税金から拠出されるという事実。
日本はアベノミクスで景気浮遊感が出ているが、世界はどちらかというと薄氷の上を歩く資本主義経済の状況であり、リーマン以降、緩和緩和のジャブジャブマネーで席巻せざるをえなかった有史以来初めての状況に対して、アメリカの緩和縮小=出口戦略がアンチとして飛び出したもんだから、新興国を中心にマネーの引き上げが予測され、次の時代での成長エンジン無き成長を演出せざるをえなかったので、青息吐息の株であり、経済であり、戦争で金もうけを、と軍需産業からの突き上げが背景にもあるのだろう。
世界中、誰がこんなことを望んでいるのか?
金は人間が作り出したものだが、金が人間を支配するようになったのはいつからか?
地球に人間が必要となっていない、そういう状況が来てはならないことくらい誰にも分かる。
田中宇ニュースで読んだ記事が参考になったので、以下で転載。
「無実のシリアを空爆する」
2013年8月28日   田中 宇
米国が英仏の賛同を得て、早ければ8月29日にシリアを空爆するという。首都ダマスカスの近郊で、8月21日に化学兵器によって市民が攻撃され多数の死者が出たとされる件について、米政府は「シリア政府軍の仕業に違いない」と断定し、国際的に違法な化学兵器の使用に対して制裁する目的で、シリア沖の地中海にいる米軍艦や、英軍の潜水艦から、トマホークなどのミサイルを発射して、シリア軍の基地などを破壊する予定と報じられている。攻撃対象が多くなる場合、B2ステルスなど、ミサイルより多くの爆弾を落とせる戦闘機を使う予定だという。 (Strike on Syria `As Early as Thursday’)
攻撃の時期については、9月1日以降との説もある。時期の早晩があるかもしれないが、米政府の高官がマスコミに攻撃を明言しており、言葉だけでなく、いずれ攻撃が行われる可能性が高い。攻撃は2日間行われる予定だ。世論調査では、米国民の9%しか、シリアに対する軍事攻撃を支持していない。 (Obama reportedly considering two-day strike on Syria)