デフレ脱出とアート

政府がデフレ宣言をしてから、ではどうやって抜け出すの?
その答えを考えていた。マクロ経済ではリフレ流行であったりするけれど、
日々仕事で結果を出さないといけない私たちにとってのデフレ対策は?

今考えている答えは、アート、芸術です。

商品のみならず、商品を伝えるということについても、サービスについても、いま重要なものはアートだと思う。

こっちの方が安いとか、ゴリゴリ計算するアポロン的な意識に対して、
ディオニソス的なエネルギーとしてアートはある。

このことに気がついてから、新宿のイシバシ楽器でシンセサイザーを衝動買いしてしまうし、小説が面白くて
ワクワクしながら本を読む楽しさを思い出している。

そんな話をお客さんともお友達とも言える方に話した。その方が京都に行かれたとき、俵屋宗達の風神雷神図おみやげ用の小さなな屏風をプレゼントしてくださった。嬉しいなあ。
私のノートパソコンはデスクトップに風神雷神図があしらわれている。そのことをご存知だったのだ。
感謝。

そして先日、阿佐谷のプラットホームに、長谷川等伯展覧会の大きな看板が立っていて、その作品に圧倒され、しばらく見とれていた。2010年2月に上野で開催される。凄い作品だった。行く予定。
安土桃山から江戸の中期にかけて、豪華絢爛な作品が登場してくる。ギラっとして凄いエネルギーをもった作品群。

そんな話を妻にしてみると、次に葛飾北斎の話になった。妻はその実際の大きさがあまりにも小さいので、驚いた、という。巨大に引き伸ばして見せても、あれだけの迫力を保っている。凄い、と。北斎は、フランスの絵画にも影響を与えている。

1年カレンダー

年末も押し迫ってくると、「1年は早いですね」と挨拶代わりに交わされることが多い。

今年は違った。

仕事場でも、自宅でも机の前に、1年カレンダーを張っている。1月から12月まで一目で見渡せる1枚のカレンダーだ。
このカレンダーを見ていると、1年のうち半分が近いとか、秋あたりになると春にはこういうことをやっていたなぁとか、1年の節目が分る。

1年が早いとは思わなくなった。

こんなにも時間の感覚が変わるものかと驚いた。

この逆は、毎日または月ごとで、大忙しの日々が続いた場合、あっと言う間に半年が経過した、というようになる。

良いと思ったものは人に話をしてしまうので、来年はお客さんや友人でこの1年カレンダーを使う人たちが出てくるだろう。
ちなみに、私は東急ハンズのカレンダー売り場で買いました。500円です。
効果を考えると、安すすぎる^^;

インフルエンザにかかって

2週間前にA型インフルエンザにかかった。
39度まで熱が上がり、お医者さんに直行してタミフルをもらった。

なんだかそれ以来、仕事のテンションが下がりまくりで、早々に切り上げては、小説ばかり読んでいる。

梶山季之著 赤いダイヤ、黒の試走車、せどり男爵数奇譚、現代悪女伝。
服部真澄 最勝王。
東野圭吾 秘密、容疑者Xの献身。
そして頭山満 幕末三舟伝。
などなど。
病気から回復に向かう間、世の中のルールからズリ落ちたような気がしたけれど
これはいっそのこと仕事はやりすぎず、気ままな生活を送ってみよう、と決めたら
面白い日常が始まった。

料理が楽しい。
4.5キロの骨付きハムが送られてきて、あまりの大きさにびっくり。
妻に見せるために写真を撮っておいて、早速、スライスにかかった。
いつもステンレス包丁しか使っていないのだけれど、仕舞ってあった有次の包丁を使った。

大きくスライスして、残った骨にはまだハムがくっついている。
さて、どうしたものかと思案していると
そうだ、スープを作ろう、と思い立った。
次に人参を切り、キャベツを切り、たまねぎも。そして、ニンニクを4つばかり大鍋に入れ
クツクツと煮込むこと3時間。
途中で味見をしてみると、これが美味い。
こんなに美味しいスープを自分で作ったのは初めてだと感心する。

妻も絶賛。
うれしい!

大鍋なので、まだまだある。

壇一雄の小説で料理が出てくるシーンを思い出す。そういえば壇さんも大量に作っていた。

10月に中国で美味い上海蟹を食べてから、変なものを食べると一日調子が悪い。
自分の体に今日は何が食べたいかを素直に聞いてから外食をすることにしている。

次にアートに触れたくなる。
突然漫画を描きたくなりスケッチブックとB鉛筆を買う。そういえば小学生のとき、少年サンデーの4コマ漫画で入賞したことを思い出す。
突然、シンセサイザーが欲しくなる。デジタルビデオカメラを買い換えたくなる。

また熊野に行きたくなる。

日本って自由だなあ、と思う。小室直樹さんが橋爪大三郎さんとの対談で語られていたのだけれど
日本人は規律のある宗教は向かない、と。だからイスラム教は日本に定着しない、と。
ついでに書くと、欧米の神は働かないけど、日本の神さまはよく働く、と。

世の中のルールを外れて見てると、人々の生活は暖かく、泣いたり笑ったりしながらも、愛しい気持ちになってくる。

あ、これ、とっても大切だなあと実感。