福島第一原子力発電所の報道について IEAE調査結果など

IAEA(国際原子力機関)が第三者としての調査を開始した。
http://www.iaea.org/newscenter/news/tsunamiupdate01.html

2. Radiation Monitoringの箇所で、東京、千葉、神奈川で問題無し、との調査結果を発表している。
原文は以下。
The IAEA radiation monitoring team took measurements at seven different locations in Tokyo and in the Kanagawa and Chiba Prefectures. Dose rates were well below those which are dangerous to human health.

福島から30km離れた畑で収穫された野菜について
IAEAはこの問題をWHOの判断にゆだねるとしている。
The IAEA has passed this information to the Food and Agricultural Organization of the United Nations (FAO) and the World Health Organization (WHO) and will continue to report on this development.

正式には以下のWHOでレポートされるだろう。
http://www.who.or.jp/sitrepsj.html

原発事故はまだ予断を許さないが、IAEAの調査によって、海外メディアを中心とした風評が収まることを願う。

何故、風評が生まれたか?

1)震災直後の数日、政府の正式発表が意味を成さなかった。
東京電力と政府との間で、もみ合いがあり、初回の爆発においても官邸に報告がされたのは、1時間後というお粗末さ。
2)震災以前に政治がガタガタ状態。日本政府の発表を、海外メディアは疑惑の目で見ているのでは。
たとえば、ロイター通信ソースのBBC報道でも野菜問題について
Janan posedとなり、Japan saysではない。
ネガティブに見られているかが分かる。

ほうれん草についても、他の野菜は問題無しとは書かれず(日本での調査)、あたかもほうれん草から他の野菜まで汚染されているような受け取られ方で書かれている。
ほうれん草も同じ場所で収穫されたとしても50日間で放射性ヨウ素131は消えるのだが(物質そのものとしては、半減期は8日なので、この期間を過ぎると問題無し)。詳しくはWHOのレポートを待とう。

日経のWEBサイトでも、震災3日間は、特報が大見出しで掲出された。
一号機が爆発、とか。事態だけが報道され、詳細はまるで不明。
スリーマイルとの比較内容もチェルノブイリの事故内容もほとんどの人は知識が無いため、負の情報連鎖の中で、風評が暴走していった。原子炉が自動停止していたこと、格納容器があること、この理由でチェルノブイリの可能性は当初からまったく無かった。

事態が好転していくのは、統合本部が設置され、自衛隊、消防庁が入ってから。
自衛隊、消防庁、東電の現場社員そして下請け社員の尽力には、本当に敬意を表する。
消防庁の記者発表をTVで見たが、立派だった。
心打たれた。

現場の力に未来を見た。