普天間基地は、実は辺野古にできない?

世界的に株の乱高下が激しかった5月。

ギリシャのソブリン・リスクを発端として始まったわけだが、EUそして中国・インド・ロシア・ブラジルを中心として、ベースにあるのは、「金融恐慌の元を作ったのはアメリカだろ」という怒りがあると考えていた。

しかしながら未だ世界の基軸通貨・ドルの代わりを出来る通貨がない。代替のシステムとして、通貨バスケットがあるが。

歴史的にもデリバティブの清算がどこかで必ず必要となる。EUも中国もそしてロシアもソフトランディングするにしてもハードランディングするにしても、まだ賞味期限が終わっていないこのアメリカという国に対して、深慮遠謀で対している。

そんな国際政治の中で、日本は第2次世界大戦以降出来上がったアメリカへのみつぎ役を続け、今でも毎年21兆円のアメリカ国債を購入し続けている。

アメリカにとって日本の存在は金を出し続ける金の卵である。第二次世界大戦以降、この流れはまだ変わっていない。

1995年の日米構造協議は、クリントン時代のアメリカが日本を分析しつくして突きつけた要求項目がずらりと並んでおり、日本の共同体を破壊しつくすものであったし、技術立国としての日本を根底から覆すものであったはず。そしてこの構造協議でできあがった日本の社会構造の変化に対して、小泉・竹中政権で行われたアメリカからのアクションプランは年次改革要望書に応え続けるものであり、出し殻のように働いて金を貢ぎ続けるだけの機能が強化されてしまった。

それで日本国民が豊かになったのかと言えば、答えはノーである。日本の底力がなくなり、更に愚民化が進んだ。

ビデオニュースで孫崎享氏(元外務省国際情報局長)の普天間問題についてのコメントを見た。

普天間の問題でも、日本は米軍基地の経費全体の75%を負担している。ドイツは30%であり、他の国で75%を出している国など見当たらないらしい。そして、各国において米軍基地の問題は、住民反対で同じように直面しているのが現実である。
鳩山首相は辺野古と言いつつも、結果的に辺野古の基地建設は無理だろうとコメントしており、興味深く、考えさせられる。
またこの辺野古騒動で、マスコミの報道の仕方があまりにもひどすぎたとコメントしている。
辺野古問題は、まだ終わった訳ではなく、これからが本番であり、実は辺野古に基地はできないだろうという見方は慧眼に値する。

http://www.videonews.com/on-demand/0471480/001449.php

様々なことが明らかになるに従って、日本には感情の鬱積が相当溜まっているために爆発するが(だからこそ民主党政権ができあがった訳だが)、マスコミはその鬱積を利用して空気を作り上げてくる。

だからこそ、世界全体で、何がどうなっているのかよく認識する必要がある。

後記)
マスコミの事前リーク問題ついては以下。岡田外務大臣のコメント。誰が事前リークの情報を流して妨害したのかを考える上で、2番目の佐藤優氏のBLOGと併せて読むとよく分かる。
http://news.livedoor.com/article/detail/4790362/

佐藤優の眼光紙背より。今回の普天間をめぐる民主党と官僚との闘いについて。
http://news.livedoor.com/article/detail/4799091/