アダム・グラント「GIVE&TAKE」副題与える人こそ成功する時代 |ORIGINALS 副題 誰もが「人と違うこと」が出来る時代

アダム・グラントは20代でペンシルバニア大学のウォートン校の修身教授になった組織心理学の教授。組織心理学の科学的論証の例がふんだんに盛り込まれていて面白い。
GIVE&TAKE」では成功する人の多くはGIVER。しかし失敗している底辺の人もGIVERが多い。GIVERはTAKERを見抜けないと損をし続ける。GIVERは自分のチームで関わりのある人たちに対してGIVEすることで、全体のチーム力を上げる。TAKER以外にマッチャーもあるがGIVERがTAKERから身を守るためにはマッチャーになることが秘訣であるなど示唆に富む。
ORIGINALS」は第2作。副題は誰もが人と違うことができる時代
一般的にアントレプレナーは先を切り拓く情熱の塊だと捉えられているが、さにあらず。リスクの計算にも長けた慎重派が光明を見いだしながら成功を手にする。これは以前書いた20マイル行進にも共通している。
優れたアイディアは量を出さないと出ない。
独創的な人は好奇心が強い、周りに同調しない、反抗的。
良いアイデアだというようにうぬぼれないで誰が判断できるかを探す。
わざと先延ばしすることでアイデアを熟成させる。
アイデアの欠点をわざと言う。
etc
世の中善人ばかりではないし善人の仮面をかぶったTAKERもいるので、身を守りながら道を拓く例証がこれもふんだんに盛り込まれていて参考になる。

先日友人が飲み会であまりにも否定的な攻撃をする人に出会ったらしく辟易したのだが、その人は背景には上司とうまくいかず左遷されると言う話だった。日本人は仕事の背景に私情が隠れていることが多い。おかしいと思ったらその直感はほとんど当たっている。後は距離を置くだけ。無視するか付き合いをやめた方が良い場合がある。

精神衛生が良くないと先が作れない。先日読んだことだが、うつ病は会社を辞めるとコロっと治ると言う。どこの会社も利益追求のためブラック企業の側面を持つが、片足は会社、もう片足で副業起こしてもいいだろう。今後370万人の労働不足が予測されているので、政府も副業を後押ししている。若い人たちは特に会社どっぷり人間から足を笑い、良い人間関係で先を作る時間を大切にしてほしいと思う。