予定調和から連鎖調和へ 保江邦夫著 そしてマグダラの書

ぶっ飛んだ本だった。物理学者である。無限連鎖の世界からシュレディンガーの波動方程式を通して現象化してくる、という説明など、物理学者でないとできない。

信じる信じないではなく、著者に起こった現象の数々が、著者の中で量子力学的な空間での気づきと発火、次なるイベントへ、連鎖を持って展開される。まるで精神の成長と気づきの旅に出ているような共通体験に入る。
正直なのである。

奇跡のリンゴの木村さんはUFOに乗ったと書かれているが、そのことは木村さんの中では真実であり、外部がとやかく言うことではなく、ひたむきに人生を生きている木村さんが体験した凝縮された生とそこから生まれた世界なのである。
結果、宇宙も世界も人の存在の数だけあると考えたほうがいい。
保江先生の場合、その精神の旅において純度と濃さから連鎖が生まれる。

ギザのピラミッドの王の間は、アトランティスの遺産であり、ピラミッドの左右に存在する王の間のうち、ひとつしか見つかっていないが、もう一つの王の間の存在は確認されており、遺産たる理由は、アトランティスの左右の脳が遺産としてピラミッドの2つの王の間に引き継がれている、と。
ムー大陸レムリアは、滅亡とともにその遺産はクジラとイルカの集団に移された、と。
ぶっ飛んでいる。真偽がどうのこうのより、面白い。よく出てくる輪廻転生においては疑問で、これを認めると過去の意識で形成された霊的世界を前提としてしまうので違うと感じるのだが、まるで小説を読むようなワクワク感は惹きつけて止まないものがある。

この書から関連して「マグダラの書」を読んだ。マグダラのマリアのモノローグである。
ホルスの錬金術とイシスの性魔術が副題。イエス・キリストとの愛の成就をトム・ケニオンの憑依によってモノローグされた書。
イエスの奇跡はどうして可能であったか?も語られる。ある大きなエネルギーとつながることで可能になっている。ピラミッド王の間でのハトホルの秘儀でエネルギーとつながっている。
トム・ケニオンは論理的な手続きを経てのみ伝えようとするので安心感がある。宗教的魂で何が何でも信じ込んで他を排除するような熱狂からはほど遠い。

宇宙も世界も人の存在の数だけある。そして純度は連鎖を生む。