中国 大連に行ってみて

6/14-17大連に行ってきた。大連へのアウトソース先との渉外が中心だったが、時間に余裕があったので、友人と大連を歩いた。
事前に、中国の勉強。小室直樹著「中国原論」読み直し。帮(ほう)を押さえる。
遠藤誉著「チャイナジャッジ」「中国動漫新人類」「チャイナナイン」を読む。薄煕来について書かれた「チャイナジャッジ」は中国の現代権力構成を知る上ですこぶる役立つ。中国動漫は、日本のアニメがとてつもない日中友好のメディアとなっているその経緯と構造を分析。
橋爪大三郎、宮代慎治、大沢真幸鼎談「おどろきの中国」を読む。
現地の学生失業率が22%だった。これがはじめに知ったデータ。日本では50%ほどかと推測していた。しかし、どうも本当らしい。駅ビルのカフェで集う若者たちに、消費を制限しているように見えないので、22%という数字が信じられなかったが、親が生活支援しているらしい。
また、大学には簡単に誰でも入れるようになっているため、22%という数字になっている。
渉外先は、今年2月から円安で2000万円の損失が出たということ。日本から中国への支払いを円建てで行うとそうなる。外国為替は世界全体でシーソーゲームのような相対関係を前提としているため、片方が上がれば片方が下がる。
大連で働く若者の給与は、月5-15万。結婚の際、男の子は不動産を持っていることが結婚条件の大きな要素になるのだが、不動産価格は3000万はする。では、どうしているのだろうか?これも聞くところによると、親が支援しているらしい。
15万の給料を得るには、大学で資格を取っていることなど、条件が必要となるらしい。
もともと大連は、旧満州にあたる港都市で、風光明媚な都市。大連では、反日運動が起こらなかった。
大連にあるヤマトホテルで聞いたところ、中国の古いホテルで改修の必要がある場合、国の援助があるのだが、ヤマトホテルは、反日運動の結果、国の政策として援助を打ち切られたという。ホテルで絵はがきのセットを2つ買い、資金提供に協力する。200元(3500円)ほど。
遠藤誉さんが指摘しているのだが、反日運動が加速する際の要因のひつとして「大地のトラウマ」という要素を挙げている。
これは、国共内戦の際に、中国共産党が全土をローラー作戦で思想統一を図っていくのだが、そのときに、地主を吊し上げる際に、農民に私は地主の見方ではないという踏み絵を、皆の前で大声で宣言させるやりかたを取る。これが全土に渡って行われ、日本の見方ではないという「大地のトラウマ」が起動することになる。
遠藤さんは女性で物理学者、国共内戦で長春が共産党に封鎖され、兄弟が餓死する状況を生き延びてきた方。現在も中国とのパイプは多く、そして深い。
渉外先の副社長と食事。帮(ほう)について訊く。中国を理解する上でのキーコンセプト。自分たちのネットワークを絆として捉え、相手のためになるコミュニティコンセプト。これを訊くと、二人の場合は、組、三人以上がほうになる。三ほう、四ほうとなる。なるほど、いわゆる身内コンセプトに近く、この身内に入らないと、彼らとのコミュニケーションに深みはでないし、本当のことは語らない。
ともすれば、帮は、コミュニティの内と外を区別するため、内のためならば、外に対しては何をやってもいいという傾向も生まれるだろう。軍にほうを掛けあわせると、現在の人民解放軍の傾向が出るはず。
この帮の概念は日本には入ってきていない。中国古来から伝わるメインバリューであり、近年、金のバリューが入れ替わってきていることは歪めない。
さて、1980年以降に生まれた若者は、それまでの若者と違うと言われる。大連で取材してみた。
日本アニメにも詳しい若者。NARUTOが面白い。ワンピースあたりのアニメも面白い。宇宙戦艦ヤマトの新バージョンが上映されているが、どうか?と訊くと、宇宙戦艦ヤマトは感情移入できないので、面白く無いということだった。理解できる。
中国での日本アニメについては、遠藤誉さんの「中国動漫新人類」によれば、以下となる。
中国で海賊版の日本アニメ、漫画が流行した。日本のアニメーション会社も中国での著作権管理に熱心ではなく、またたくまに日本アニメが中国の若者の間に席巻した。また1970年台始めに放映された「鉄腕アトム」が1回の放映で10万円という破格値だったので、(これは手塚治虫さんの善意だったらしい)それ以降も破格値となったとのこと。さて、反日教育が行われている中国から日本を見る歴史認識に根ざしたイメージと、こんなに面白いアニメを作り上げ、愛とか平和をメッセージとして発信してくる文化大国の日本は、本当は共産党が決めつける日本とは違って、どんな国なんだろう?そういうダブルスタンダードが生まれる。
アニメにはまったことがある方なら分かると思う。
ちなみに、今日本で流行っているアニメのひとつに「進撃の巨人」があるが、彼はそのタイトルも知っていた。
インドでもベトナムでも同じだが、歴史と文化を理解したところから始まる。