サルバドール・ダリの描く空

学生の頃、サルバドール・ダリの描く空に惹かれた。
革命の前夜を思わせるような、何かとてつもない変化の前触れを思わせるような、あの空に惹かれた。
ダリの描く柔らかい時計やシュールレアリズムの数々の象徴より、あの空に惹かれた。

マルセル・デュシャンは、ジョン・ケージに、ダリに会いに行け、と言った。
言葉は正確に思い出せないが、ライオンの悲しみを見てこい、というメッセージだったと記憶している。
ライオンはダリのことである。

ふと、あの空を思い出した。

これから地球上で起こる大きな変化を体で感じながら、無意識の泉の中から、昔見たあの空が浮かび上がってきた。

これから起こる変化は、100年に一度ともいわれるし、300数十年に一度ともいわれる。いや、有史以来初めてのこともある。

あの空の向うに飛び込もうとした昔の自分は、今は変容し、まったく別次元の光と壮大な宇宙へとつながる空を望んでいる。

宇宙は、美しく調和しながら、次を生み出している。

為替相場でのドルが示していること

金融不安の時代において起こっている現象の中で、為替相場でドルフランが上げているという現象がある。
アメリカの景気が悪いのだったらねドルが下がっても不思議ではないと思うが、逆なのである。

これをどう考えるかというと、いまアメリカがつぶれたがマズイ、
従ってつぶれそうなアメリカにドルが還流していると考えるのが正しいのかもしれず。。。
損失補填の海外からのドル還流とみるのも正しいのかもしれず。。。
または、ドルの資金調達に困難をきたした金融機関や投資家が自国通貨を売って米ドルを買うことで資金調達を図っている現象かもしれず。。。

ユーロドルはピークの1.6から1.30まで落ち、オーストラリアドル/米ドルは、0.98から0.64まで下げた。それに伴ってユーロ円、豪ドル円が下げ足を速め、ドル円を引き連れて落ちていった。

ドルフランは上がっても、ドル円は円高基調なのである。

2003年2004年に行われた33兆円にものぼる円安相場を作り出す為替介入が、(これは小泉・竹中政策でもあったわけだが)、現在の円安バブルの崩壊がとどめを指しており、単に高金利通貨を思っているとスワップ貯金が溜まると思っていた人たちをどん底に叩き落とした。

長い目で見ると、基軸通過の無い変動相場に入っているのかもしれない。もちろんのことながら金本位制には戻れない。

アメリカはサバイバルに成功しても、日本が円高基調を克服する世界の中での戦略を生きない限り、日本は沈没する。

現在の金融危機

現在の金融危機に対して、いくつかの観点がある。
私にはイギリスの産業革命以来続いてきた近代化と市場原理主義、そして金融システムの行き詰まりが最も大局的な観点になると思っている。
300数十年に一度の変化することになる。

元FRB理事長のグリーンスパンは、100年に一度の金融不安であるという。これは明らかに1929年の世界恐慌との比較であって、資本主義が内蔵しているバブルと恐慌の最も大きな波として捉えた場合の観点になる。実務家であっても、これくらい長いスパンでとらえている。

昨年、2007年8月に金融不安で金融商品が大きく下げたときに、97年98年のアジア通貨危機に比較されることが多かったと思う。アジア通貨危機は、経済の実態に対して流れ込んでいる資金が過剰でありバブルと判断したジョージ・ソロスがタイバーツの猛烈な売りを浴びせかはけたことから始まる。そして98年のロシアの通貨危機。ジョージ・ソロスは、タイバーツの売りで莫大な利益を上げ、逆にロシアの通貨危機では損失を出している。いずれにしても世界は90年代の後半デフレからの脱却が、この金融危機によって遅れた。

金融商品は、上がるのは徐々にしか上がらないが、下げる時はあっという間に下げる。これは上げるときは皆が暗黙のうちにこれは上がるだろうと予想し、つまりケインズの美人投票をしている。下げる時に勢いがつくのは、今まで上がると思って買っていた人たちが、恐怖によって売るからである。相場の世界では損切りという言葉があるが、次々と損切りされることによって値が走ることになる。
金融商品は、その多くが売りでも買いでも利益を上げることができる。(株の空売りがある)
ジョージ・ソロスのクォンタムファンドは、設立からたしか10年ほどは、年間4000%ほどの利益を上げていたと思う。ヘッジファンドは世界に約6000あるが、昨年から利益を生むのには苦戦している。今まで決まった容量の池に少数のヘッジファンドが跋扈したため、数千%の収益が可能であったが、現在はヘッジファンドの数が多くなりすぎたため、ジョージソロスのところでも年間十数%の利益還元となっているらしい。

現在の資本主義が存命する上で、中国・インド・ロシア・ブラジルの開発と成長が必須となるわけだが、中国が今までのアメリカの役割を果たすことはなく、そういう意味では世界は帝国の崩壊と多極化に向かっている。

アジアを一つとしてとらえるときに、文化・宗教の違い、格差などまだまだ課題は多いが、日本が今後生き延びていく上で、特に中国とインドとの関係は欠かせない。
小泉内閣のグローバリズムは、アメリカと心中する政策であり、戦後の成長期にとられた政策が状況にあってないまま引き継がれていることを考えると、今度の衆議院選挙は、戦後日本が初めて体験するパラダイムシフトになるかもしれない。

グローバーリズムは、それが進めば進むほど、ローカルでの独自性が問われるという逆説を念頭に入れておく必要がある。情報、貨幣、流通さまざまな面において、世界間での相互依存性は高まっているが、それぞれの国が持っている文化、強み、豊かさ、創造性がなくしては、この世界的な相互依存性の中で生き延びていくことは難しい。

今回始まったデフレは、100年続くという説がある。あながち外れてはいないだろう。

選挙は、どこに入れようとも個人の自由だが、自民党のウルトラCだけは理解しておいた方が良い。
つまり
皆が選挙にいかれるとヤバイ。選挙に行っても、何も変わらないでしょう、というウルトラCである。
だから、選挙に行こう!

平和とエントロピー

1980年代に出版されたジェレミー・リフキンのエントロピーの法則が、日本でエントロピーという言葉を周知させるきっかけになったと思う。ジェレミー・リフキンは、カーター政権の要職についていた。分かりやすい例でいうと、日本のたばこが消費されるとき、使われるエネルギーから2度と使うことができない物質へと変わる、この時エントロピーが増大するという。
宇宙においても地球においても、熱力学の第2法則は適用されるので、私たちはある均衡に向かっていることになる。
暑い部屋の中に置いてあったコップの水が、最終的には部屋の温度と同じになるように。
しかしながら生命体は、自分たちが生きていけるように環境のみならず関係も作り変えている。初めの環境ならばまだ物質のレベルなのだが、関係となると精神のレベルになる。
例えば、仲の悪い夫婦がいたとする。当然子どもにもいろいろな悪影響があるだろう。のみならず、だんなさんの仕事の効率も落ちるし奥さんだって無駄な時間と金を使う。子供はいらぬことで意識をとられる。エントロピーが増大していると言える。
この逆を考えてみよう、仲の良い夫婦がいたとする。だんなさんは奥さんが困っていることがあれば解決しようとするし、その逆も然り。当然人に対しても笑顔で接することが多く、あるお店で買い物したら、その素敵な笑顔を見てお待ちをしてもらったということもあるかもしれないし、自分では知らないところで助けられる好循環が生まれていることが多い。単に仲良くすればいいということだけではなく、自分たちが成長して命豊かに生きる、これが元だと思う。

ネゲントロピー(負のエントロピー)という言葉があり、この言葉は物理学者のシュレーディンガーが始めに使った言葉らしいのだが、松岡正剛さんのサイトで概要が追える。

 本当のことは早く明らかになった方が、未来がある。
しかしながら、国家というレベルで見ると国と国は、上記のように簡単には仲良くできない。