クレイトン・クリステンセン著「ジョブ理論」

「破壊的イノベーション」の権威であるクリステンセンの最新作。
破壊的イノベーションが成功率25%行けば良い方で,博打的な側面があったことを鑑み、更に因果関係を見極めるために理論化したクリステンセンの渾身作。

納得することしきり。一日で読み切れる。

話はミルクシェイクから始まる。ミルクシェイクを購入する層を調べたところ、朝の通勤途中にドライブスルーで購入し暇な運転時間にはもってこいの商品だったことが分かる。ベーグルはパンクズが落ちるが、ミルクシェイクは細いストローで飲むのに30分かかり、そこそこ空腹感も満たされる。つまり朝のミルクシェイクは通勤途中の暇なドライブ時間を埋め合わせるにはもってこいの商品だったという訳だ。

企業のイノベーションが、その商品を雇用(購入)することで何を解決しようとしていたのか?焦点の当て方が全く違う。
ミルクシェイクを雇用するという表現を使っている。

人は日常生活で様々なジョブを抱えている。マットレスが凹んで熟睡できない、子供との対話、すべてジョブと括るのだが、雇用=消費はこの解決をするものであるという定義。従って製品の機能アップやマーケティングによる層の分析より何故雇用する必要があったのか?そこにはどのような日常的なストーリーがあったのかを深掘りし、核となるジョブに組織的なパワーを集中させる。

モノから発想するのではない。モノから発想すると、年齢層による消費動向とニーズ分析は製品の機能高度化に向かうことが多く、はたしてマーケットに受け入れられているのかどうかがはっきりとしないままイノベーションに突き進む。ガラパゴス化からの脱却である。

20年に渡る研究成果であり、イノベーションが当たるも八卦当たらぬも八卦という博打的な側面から脱却させた成果は、さすがである。
一読されることをお勧め。

来日されたときに、日本は80年代、90年代イノベーションの嵐で世界中を席巻したのに、今の日本はどうしてこんなに元気が無いのだ?というクリステンセン博士のメッセージ。

90年代からは護送船団方式が崩れ、経営環境もガラッと変わってしまい、価値観も当時とは全く違う。かと言って日本で起業することの障壁は相変わらず高い。これは初期投資のエンジェル、ベンチャーキャピタルの層が薄いこともあろう。ちなみにFacebookのザッカーバーグはロックフェラーの孫であり、Googleも起業時かなりの投資を受けている。
日本でも新しいタイプのベンチャーキャピタルが出てきたが、まだまだ。
大手のジョブ理論マーケティングで成功している例は、パナソニックの時短製品などがある。忙しい共働き夫婦にとって時短は必須。全自動洗濯機から食器洗い機など時短製品がバッチリはまっている。私の姉は子供が小さい頃、野菜を洗濯機で洗っていたが、彼女なりに時短を追求した結果。凄すぎる、、、、

日本では、起業障壁の高さがあったとしても、ジョブ理論は役に立つ。特に起業する若い人たちに勧める。出資するベンチャーキャピタルも論理的に納得できるはず。

忙しい夫婦は、omni7での食材調達からホットクック!

忙しい夫婦にはもってこいの無水調理器SHARPヘルシオの「ホットクック」。
食材を入れてメニューを選択し、あとはお任せ。
この2週間ほどで、シチュー、さばの味噌煮、ひじきの煮物、10種類くらい作った。どれも美味い!
忙しすぎる夫婦には、omni7=イトーヨーカドーの宅配サービスが便利だ。
夜8時から10時まで届けてくれる。
我が家はこのomni7での食材調達 → ホットクックで回したところ大正解!

ホットクックは、妻が勝間和代さんのロジカルクッキングを知って勧めたのだった。2.6Lが作り溜めできて便利。

世界の情報は4年で倍になっているということは

世界の情報は4年で倍になっているという。
この数字を知って本の要約サイト「フライヤー」に申し込みをした。
日本では年8万冊の本が刊行され、そのうちビジネス書は6000冊。これは個人が年間で読める量ではない。
使ってみて日頃読まない本に行き着くことが多かった。
引き込まれた本としては、「Hard Things」ベン・ホロウィッツ、この本で紹介されていた「インテルの戦略転換」アンドリュー・グローブ。CEOの職務は誰も教えてくれないことが分かる本。プロセスの中で判断決断の連続でありベンチャーの場合、突然訪れる状況変化に対して毎日がジェットコースターに乗っているかのようなテンションの高さがある。
特に戦時中のCEOと平時のCEOは違うというくだりは納得。今は戦時中なのである。

さて、4年で情報が倍になるということは、状況分析が非常に複雑で高度になる。パラメーターも多くなる。若い人には、やりたいことをやったほうが良い、と言いたい。
情報を創り出す側に歩がある時代だと思うから。

ガンバレ!ホリエモンロケット「モモ」

何度も何度も燃焼実験を重ねて、その失敗は一回につき軽く100万円飛ぶという。
ロケット発射の一回当たりの失敗は押して計るべし。

あのスペースX率いるイーロン・マスクも4回失敗して、ギリギリまで追い込まれ、Googleに身売りするかどうかという瀬戸際まで行ったとき、テスラの新車発表に助けられた。
今では、ボーイングと並んでアメリカのロケット事業を担う柱だ。

このチャレンジ精神は人に元気を与える。

「サピエンス全史」を読んで肉を食べられなくなったら

今話題のベストセラー「サピエンス全史」を読んで、四つ足動物の肉を食べられなくなった方々も多いと思う。著者のユヴァル・ノア・ハラリ氏も然り。
ホモサピエンスが生き延びるために、あまりにも残酷な動物の飼育事例がオンパレードだったためだ。
実は私も読後、そうだった。
とは言え、食事に困ることも起きたため、調べて見ると以下で判明。
日本では、牛に名前を付けていることもあり、家族のように大切にしているところもある。
妻から聞いたのだが、東北食べる通信では、牛に花子や太郎など名前を付けて育てているらしい。動物を苦しまないで済ます方法も実施されているところもある。牛は寂しがり屋なので、一頭では飼えない法律が日本では施行されている。母が昔、子牛が売られていくときに、母牛が涙をぽろぽろ流すのよ、という話をしていた。こういう話はホッとする。
ニュージーランドでは牛が放牧されていることも知った。価格が高くても買ってしまうだろう。焼き肉店でもニュージーランド産牛肉を食することができる店があるようだ。
本としてはサピエンスの歴史をサバイバルする生き物として通史で切り取った素晴らしい出来なのだが、生活に影響が出る方々も多かったと思う。

考えをまとめるにはA1模造紙が強力だ 〜ときにはアナログに戻る〜

あるプロジェクトをまとめるのにA3のプロジェクトペーパーを使っていたが書ききれず、足し合わせてみた。なるほど、大きなA1サイズくらいのサイズにすると考えがよく見える。書いては消し連携する線を引いてマインドマップのようなものになるが俯瞰して見ることができる。A1サイズだと余白にどんどん書き込めて考えが大きくなるようだ。何が重要かプロジェクトのヘソも分かる。
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アダム・グラント「GIVE&TAKE」副題与える人こそ成功する時代 |ORIGINALS 副題 誰もが「人と違うこと」が出来る時代

アダム・グラントは20代でペンシルバニア大学のウォートン校の修身教授になった組織心理学の教授。組織心理学の科学的論証の例がふんだんに盛り込まれていて面白い。
GIVE&TAKE」では成功する人の多くはGIVER。しかし失敗している底辺の人もGIVERが多い。GIVERはTAKERを見抜けないと損をし続ける。GIVERは自分のチームで関わりのある人たちに対してGIVEすることで、全体のチーム力を上げる。TAKER以外にマッチャーもあるがGIVERがTAKERから身を守るためにはマッチャーになることが秘訣であるなど示唆に富む。
ORIGINALS」は第2作。副題は誰もが人と違うことができる時代
一般的にアントレプレナーは先を切り拓く情熱の塊だと捉えられているが、さにあらず。リスクの計算にも長けた慎重派が光明を見いだしながら成功を手にする。これは以前書いた20マイル行進にも共通している。
優れたアイディアは量を出さないと出ない。
独創的な人は好奇心が強い、周りに同調しない、反抗的。
良いアイデアだというようにうぬぼれないで誰が判断できるかを探す。
わざと先延ばしすることでアイデアを熟成させる。
アイデアの欠点をわざと言う。
etc
世の中善人ばかりではないし善人の仮面をかぶったTAKERもいるので、身を守りながら道を拓く例証がこれもふんだんに盛り込まれていて参考になる。
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意識と体・バイオリズムのズレを分かる

今年から早起きにした。朝6時には起きる。人のバイオリズムが朝10時から3-4時間ピークに達することを知ったことが始まりだった。

朝起きて朝食を作り、近所の公園で軽く運動をする。エンジンがかかるには少し時間がかかるためだ。10時から数時間は会議を入れない。このゴールデンタイムには先のことをやたほうがいい。午後2時にもなるとバイオリズムが落ちてくるのでルーチン業務に回す。夕方からはクリエイティブな活動が向いている。3日で習慣が変わった。
メンタリストDaigo氏の「超集中力」で書かれていたことだった。
ポイントは人の意識はバイオリズムが落ちている時でも自分を奮い立たせようとして無理を強いるがこれは間違っている。バイオリズムと調和しながら生産活動を上げるこのような知識が必要。仕事の合間にヨガの呼吸法を取り入れるマインドフルネスが拡がっているがこれも意識と体のバイオリズムを調和させるための方法だろう。
朝から晩までデスクに座っている仕事の場合、集中力は持続しない。こういう時、昇降デスクがお勧めだが、調子が出ないときはさっと切り替えてまた戻ったほうがよっぽど効率が上がる。
可能なら、時にはカフェで仕事をすると適度なざわつきで仕事もはかどる。
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高齢者が元気に生きることができる文化とは?

昨日電車の中での出来事。

80歳くらいのおばあさんとその息子が乗ってきた。おばあさんは足が悪いのか手押し車のお世話になっていた。私はスマホで音楽を聴いていたので気がつかなかったが、隣のおじさんがすぐに席を譲った。おばあさんの手押し車には小さな椅子が付いていて、息子に座ったら良いと勧めるのだが、恥ずかしいからやめてくれと強く言う。そこから息子の反発が始まった。

おせっかいはやめてくれ、妻も言っている、と。それを何度も言う。

おばあさんは息子への善意で言ったのだが受け入れてもらえず黙り込んでしまった。

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プーチンは右利きなのに時計を右手にしている そこから考えたこと

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秋田犬の「ゆめ」がデカい。毛並みが良いのでよく手入れされている。

この写真を観て、あれ?と思ったことがあった。

右利きのプーチンは普通ならば時計を左手にするが、右手にしている。

調べてみると、いくつかのブログでこの件を扱った投稿があった。

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世界の枠組みが変わり、これからは文化が重要になる

12月19日トランプが正式に大統領として選ばれると、これで世界の枠組みが変わる。 グローバリズムの終焉とともにこれからは文化が重要になる。

文化はそれぞれの国で命を育む母胎である。グローバリズムは、金と市場支配をめざす強欲な人間疎外を生み出す化け物だったとすると、これで観点が逆になった。

トランプ人事に観るポイント ロックフェラー家の世代交代か

トランプ人事はよく出来ている。

候補として上がっているゴールドマンサックス出身者の数を考えると、明らかにデビッド・ロックフェラー(101歳)からジェイ・ロックフェラー(79歳。Dに比べると温和な性格だとされている。国際キリスト教大学にも留学。小沢一郎と親しい)への世代交代が為されたと考えるべきなのだろう。ゴールドマンサックスの実質オーナーは、ジェイである。

グローバリスト&ネオコン出身者の牙城である国務長官には、エクソンモビールCEOのレックス・ティラーソンの名が挙がっているが、デビッド・ロックフェラー一族は今年三月にエクソンモビールの株を売却したことで知られる。これもデビッド・ロックフェラーの影響から外れており、世代交代を示す一例であろう。

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一日一行幸せなことを想い出す日記を書くと無意識の威力が分かる

朝起きたときに大学ノートに1分で幸せなことを探して書く日記。これを三ヶ月続けると、毎日幸せなことを探すようになり、無意識に浸透して大変化が起こるという話。三週間で変化を実感し、三ヶ月で不動のものになるという。

友人から聞いて実践してみた。今、二ヶ月目。

これは凄い。意識が氷山の一角だと言うことが分かった。

前にも書いたがPCに例えると分かりやすい。ハードが体、OSが無意識、アプリケーションは意識で、その結果、動いて造り出された成果が仕事や関係に出てくると考えてみよう。

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