希望はどこにあるんだろうか

今週は、 T さんと会食。宇宙エレベーターの話を聞く。地球の軌道上に基地を作り、地球とその基地をエレベーターで結び、地球の回転に合わせるという壮大な計画で、アーサー・C・クラークの発案らしい。私もこの話は知っていて、2050年頃にNASAが完成させる予定で進められていると話し盛り上がる。赤道上に構築するらしい。
私はこの話を知ったのは、太陽光発電がこのシステムで成立すると、数万倍もの電力を作ることができるということからだった。核廃棄物の問題も地球の外に捨てさせてもらって解決するだろう。今は宇宙語膨張してる段階なので、この廃棄物の問題も大丈夫かもしれないが、何十億年もたって宇宙が収縮する段階に入った時、戻ってくる可能性もあるかもしれない。
いずれにしてもこういうぶっ飛んだ話は、面白い。
そのあとは、江戸の話で盛り上がる。
江戸時代の性がいかに豊かだったかというところで、性の話は明るくおおらかに語るにこしたことはない。現代文明のダークなところは、ほとんどが性の歪曲に起因しているだろうから、閉じれば閉じるほど、塞げば塞ぐほど、いびつさが出てくる。難しいところだ。

土日は読書。若田部昌澄さんの「日銀デフレ」「本当の経済の話をしよう」を読了。リフレ派の論客として有名な若田部さんの著作。
日銀デフレは、あの官僚制度どっぷりの体質とリフレ派から見たら逆ばかり施策する日銀の歴史を読む。日銀にとってインフレが恐怖になっていること。今の日銀法が1997年か8年に棚からぼた餅で改正となり、日銀の独立性が保証された経緯。旧法は昭和17年か8年に制定された。
デフレ時代に逆をやるもんだからたまったもんじゃない。これはクルーグマンあたりも日銀批判は行っていて、90年代後半に速水総裁が、バブル後の金融引き締めという逆の施策を打ったため、日本のデフレ脱却がほぼ無理になったことは指摘している。
本当の経済の話をしようは、インセンティブ、トレード、含め4つのキーワードで経済を説明できるとても分かりやすい良書。インセンティブは誘因と訳され、内的な要因であるモチベーションとは区別されている。インセンティブを広義で捉えたほうがいいだろう。従ってどんな選択が得になるかシミュレーションするゲーム理論も射程に入る。笑ったのは、2歳の弟のトイレ付き添いでインセンティブがもらえる5歳の姉が、弟を頻繁にトイレに行くようにするため、水を飲ませるという下り。まあ、こういうのもある。
同じくインセンティブについて書かれたタイラー・コーエンの著作を予約。
心理学と経済が融合したミクロ経済についての良書で25年かけて書かれた著作、八田達也さんの「ミクロ経済」も予約。

マクロで明るい材料って無いんですよね。だから鬱的な時代になっている。
そんな状況の中で、人と人の関係、そこから生まれる創造的エネルギーについては、未来がある。というところでミクロ経済のお勉強はこれから。

先週の金曜日は、アメリカの雇用統計の発表があり、良い数字だったが、本当だろうか?元GEのジャック・ウェルチも疑念をコメントしていたが、6日に大統領選挙なので、悪い数字が出ると現政権にとってマイナス材料となるため、裏で何か作為があっても不思議はない。CNNでは、コーネル大学を出てもスーパーの裏方仕事しかない学生が、いかにアメリカでも20代で仕事が無いかを訴えていた。これは日本も中国も同じ。日本では非正規雇用が20代で5割まで達しているし。
今春卒業してベンチャー系の会社に就職した元大学院生の知り合いも、先日会ったところ、昔の元気さは無くなっていた。企業が効率化を求める結果、20代の人たちを機械のように酷使する傾向は益々強くなっているのだろう。育てる余裕が無くなっているようだ。育てるためには、失敗を許容し、フィードバックさせ、精神的にも成長できるよう見守る必要があるが、統計上でも20代の労働時間が増え続けており、いずれロスジェネの逆襲が起こる可能性もある。つまりスピンアウトして、俺たちで会社作っちゃうもんねえ、という当たり前の傾向が、いずれ起こることの方が望ましい。
今の家電業界では既にこのスピンアウトで独立していく若い人たちが出てきているようだ。
うん、頑張れ、ロスジェネ世代!